夢の中の家 夢の中の家

夢の中の‪家‬

    • 2.5 • 2件の評価
    • ¥200

発行者による作品情報

毎夜のごとく悪夢に悩まされる男の記憶が徐々にほどかれていく、そのプロセスを追ったホラータッチの短編。語り手の菊池幸男(59)は若い頃からもう何十年も、ある家の夢にうなされ続けてきた。舞台は昭和20年代から30年代に建てられたであろう、粗末な木造の一軒家で、主役は少年といっていい歳ごろの自分。人気のない屋内を進むと、廊下の突き当りに便所がある。汲み取り式で、夢の中でも酷く臭う。その便所で毎回、惨劇が起き、目を覚ます。既に間取りは勿論、細部や畳の感触まで正確に思い出せるほどなじんだ家は、気味が悪いほど現実味を帯びていた。にもかかわらず、自分には夢の中と同じ家に住んだ記憶はない。それ以上に、中学校はじめ頃までの記憶が完全に欠落していた。自分を育ててくれた祖父母からは、父親は死に、母親は家出をしたと聞かされたが、それと何か関係があるのか? あの家は実在するのか? 読む者さえ悪夢に引き摺り込む逸品。


 柴田哲孝(しばた・てつたか)

 1957年、東京都出身。日本大学芸術学部写真学科中退。フリーのカメラマンから作家に転身し、現在はフィクションとノンフィクションの両分野で広く活躍する。パリ?ダカールラリーにプライベートで2回出場し、1990年にはドライバーとして完走した経験ももつ。2006年、『下山事件 最後の証言』で第59回「日本推理作家協会賞・評論その他の部門」と第24回日本冒険小説協会大賞(実録賞)をダブル受賞。2007年、『TENGU』で第9回大藪春彦賞を受賞し、ベストセラー作家となった。他の著書に『DANCER』『GEQ』『デッドエンド』『WOLF』『下山事件 暗殺者たちの夏』『クズリ』『赤猫』など、多数ある。

ジャンル
小説/文学
発売日
2020年
8月17日
言語
JA
日本語
ページ数
47
ページ
発行者
U-NEXT
販売元
U-NEXT CO., LTD.
サイズ
873.6
KB
暗殺 暗殺
2024年
下山事件 最後の証言 完全版 下山事件 最後の証言 完全版
2007年
クズリ ある殺し屋の伝説 クズリ ある殺し屋の伝説
2017年
デッドエンド デッドエンド
2016年
下山事件 暗殺者たちの夏 下山事件 暗殺者たちの夏
2015年
クラッシュマン クラッシュマン
2018年