夢みる宝石 夢みる宝石

夢みる宝‪石‬

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    • ¥660
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発行者による作品情報

里親のひどい折艦をのがれた捨て子のホーティ少年は、愛する人形とともにサーカス団の一座に保護される。団長は、へんてこな人間を集めるかたわら、不思議な能力をもつ水晶を探していた。一見なんの変哲もないその水晶は実は生きていて、痛みや憎しみなどさまざまな感情を表出できる。そして水晶が夢みるとき、土の塊から花や昆虫や、小鳥や犬が生まれるのだった…。幻想SFの巨匠の手になる処女長編。

ジャンル
SF/ファンタジー
発売日
2019年
5月24日
言語
JA
日本語
ページ数
265
ページ
発行者
グーテンベルク21
販売元
Digital Publishing Initiatives Japan Co., Ltd.
サイズ
591.6
KB

カスタマーレビュー

サモトラケのニャンコ

「あわれなり」から「あっぱれ」な物語

混沌とした世界感だが、妙にリアリティのあるスタージョンの小説。もう50年近く前の中学の多感な時期。世界SF全集〈第16巻〉で雷鳴と薔薇と一緒に読みました。世の中にはなんと不思議な物語をつくり出す天才がいるものだと夢中になり私の人格の一部にさえなりました。
大学になると専門書を読む時間が増えて小説を読むこともほとんどなくなってしまいました。ただ、大学の時、秩父の冬の祭りで裸電球に照らされたサーカスや見世物小屋を見た時には、突然夢見る宝石を思い出しました。中学の時に読んだ光景が目に浮かび、頭の中を回り脊髄を伝わり仙骨まで落ちて跳ね返ってまた頭の中を走馬灯のように思い出されました。
今振り返ると、無自覚に多大な影響を受けた小説だと実感します。
現に今回、「この世のものとは思えないセロニアス・モンク」を聞きながら読み、本棚には「プロメテウス解剖学、ガイトン生理学、ストライヤー生化学、ムーア人体発生学、細胞の分子生物学、臨床遺伝学、ヒトの変異、先天奇形症候群アトラス」等が並んでいるのですから。

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