



大名倒産 上
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4.1 • 23件の評価
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- ¥1,600
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発行者による作品情報
借金の積もり積もること二百年、御家を救う唯一の手立ては計画倒産!?
読めば福がやってくる!笑いと涙の経済エンターテインメント。
「文藝春秋」連載中から「面白い!」の声続々!
〇江戸時代にもロスジェネってあったんだ!と思いました(30代女性)
〇鮭と米がとにかく美味しそう……。(40代男性)
〇もはや古典落語のような語り口、どこで止めていいのか分からない!(40代女性)
〇『プリズンホテル』以来の大笑い。それでいて、ほろり。こんな浅田作品が読みたかった!(60代男性)
丹生山松平家三万石を襲いだばかりの若き殿様は江戸城で脂汗を垂らしていた。
――御尊家には金がない。
老中からの宣告に慌てて調べてみれば藩の経済事情は火の車であった。
奇跡でも起こらぬ限り返しようもない額の借金に押し潰される寸前の弱小大名家。
父である御隠居はこの苦境を見越して、庶子の四男である小四郎に家督をとらせたのだ。
計画的に「大名倒産」を成した暁に、腹を切らせる役目のために……。
APPLE BOOKSのレビュー
数々の文学賞を受賞してきた作家・浅田次郎が、「黒書院の六兵衛」以来6年ぶりに発表した痛快時代小説。江戸時代末期、妾の母から生まれ、市井で育った小四郎は、突如として越後丹生山藩3万石の藩主・松平和泉守となる。しかし、継いだ御家は25万両もの借金を抱える貧乏大名。実父である先代は、計画倒産によって借金を踏み倒し、その責任を息子の小四郎にとらせようと企んでいたのだった。財政再建に乗り出した小四郎の前に、次々と難題が降りかかり、武士町民はおろか、貧乏神や七福神までをも巻き込んだドタバタ劇が繰り広げられる。果たして小四郎と丹生山藩3万石はどうなってしまうのか。幕末の大名家の困窮ぶりを克明に再現しつつ、著者が書きたかった「大名もまた一人の人間である」というテーマに真正面から取り組んだ本作。まるで講談でも聴いているかのような軽妙な筆致が読みやすく、読後感もすがすがしい。現代のビジネスにも通じる経済エンターテインメント小説。