大地 第一部
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- ¥770
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発行者による作品情報
清朝末期から中華民国成立までの動乱の時代を背景に、貧農出の王一家の父子三代にわたる変遷をたどる家族物語。1931年、「大地」は出版と同時にベストセラーとなりピューリッツァー賞を受賞、各国語に訳された。
貧しい農夫、王龍(ワンルン)と阿藍(オーラン)一家の暮らしにようやく明るさが訪れようとしたとき、飢饉が襲う。二人はやむなく町へ出、それぞれ車夫と乞食になって糊口をしのぐ。そのうちに二人は、折からの暴動の勃発によって思いがけぬ大金を手にする。一家は再び故郷に帰り、没落した地主から土地を買い入れる。さいわい引き続く豊作にめぐまれて王龍は大地主にまでなるが、余裕ができると女遊びに走り、ついには妾を家に入れる。阿藍はただ黙々と働きつづける。子供たちは大きくなり、一家の暮らしはしだいに変容し、やがて二人にも死が。
カスタマーレビュー
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、
名作
高校時代に読んだ作品を、40年経て読み返した。中国の肥沃な大地が国の混乱も家族の諍いも些末なことに思えてしまうほどに大きい。中国という国の、時代背景や地主の末路、匪賊という存在、したたかで逞しい庶民、その中でも働き者の王龍と阿蘭の一生は、改めて興味深く感嘆を持って読み進めた。さらに読み返したい、名作である。