大尉の娘 大尉の娘

大尉の‪娘‬

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発行者による作品情報

(この本について)

この本は、ロシアの作家プーシキンの「大尉の娘」を収録しています。翻訳は、名訳者である神西清によるものです。また巻末には訳者による解説を収録しました。

この古典教養文庫版のプーシキン作「大尉の娘」の一番の特長は、これまで「拾遺の章」として巻末に置かれることの多かった部分を、物語の展開、効果を考慮して元あった場所に置いたことです。これによって、最後まで自然な流れで物語を読み終えることができると思います。

なお、ほんのわずかですが、現代では使われない言葉を日常よく使われる言葉に置き換えたところがあります。

注については、訳者がつけたものを、章の切れ目や大きなまとまりの最後に、カッコの中に小さな文字で入れました。編集者のつけた注は、本文中にカッコの中に「編集者注」として小さな文字で入れました。


(プーシキンについて)

アレクサンドル・セルゲーヴィチ・プーシキンは、ロシアの詩人・作家で、ロシア近代文学の嚆矢とされる大詩人です。

プーシキンは、一七九九年にモスクワに出生しました。父親は由緒ある家柄のロシアの地主貴族で、母親の祖父アブラム・ガンニバルは、ピョートル一世に寵愛された黒人奴隷上がりのエリート軍人でした。彼は早くから文学に親しみ、その才能はロシア文学界に広く知られていました。

プーシキンは、はじめて作品のなかに積極的に口語を取り入れて独自の語りの文体を作り上げました。近代ロシア語の文章語を確立し、さらに新しい国民文学をも確立して後代のロシア文学に大きな影響を与えました

代表作には、この「大尉の娘」や「スペードの女王・ベールキン物語」、韻文で書かれた小説「エヴゲーニイ・オネーギン」などがあります。

ドストエフスキーはプーシキンについて、以下のように「作家の日記」に書いています。


「プーシキンの創造した恭順で淳朴なベールキンのタイプを初めとして、ロシア文学の中における真に美しいものは、すべて民衆の中から取られているのではないか。ロシアではすべてがプーシキンを起源としている。彼の創作生活の中でもきわめて初期に属するあの時代に、彼が忽然として視界を民衆のほうへ転じたということは、実に比類のない驚嘆に値すべき出来事であって、あの時代としては思いもよらぬ、新しい言葉を発したものである。ああいう出来事は奇跡でないとすれば、なみなみならぬ偉大な天才によるとでもいわなくては、ほかに説明のしようがない。」

ジャンル
小説/文学
発売日
2025年
5月31日
言語
JA
日本語
ページ数
228
ページ
発行者
古典教養文庫
販売元
Junichiro Kozuma
サイズ
483.7
KB
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