大統領の陰謀〔新版〕
-
-
4.0 • 2件の評価
-
-
- ¥1,300
-
- ¥1,300
発行者による作品情報
米国大統領の犯罪を暴き、失脚に追い込んだ「ウォーターゲート事件」報道の全記録。政権との対立、謎の情報源〈ディープ・スロート〉との駆け引きをへて、記者たちがたどりついた真実とは? ピュリッツァー賞に輝いた調査報道の全容を描き、映画化された名著。40周年記念「著者あとがき」収録。解説/松原耕二
APPLE BOOKSのレビュー
第37代アメリカ合衆国大統領、リチャード・ニクソンを史上初の任期中の辞職に追い込んだ、アメリカ最大の政治スキャンダル、ウォーターゲート事件。ベトナム戦争の終結など国内外で手腕を発揮した大統領の裏の顔を暴いたのは、ワシントン・ポスト紙で働く若手記者2人だった。ピューリッツァー賞に輝いた調査報道の全容は、1976年にはダスティン・ホフマンとロバート・レッドフォード主演で映画化され、今なお調査報道のバイブルとして読み継がれている。1972年6月深夜、ワシントンDCの民主党全国委員会本部で不法侵入事件が発生した。ワシントン・ポスト紙のボブ・ウッドワード記者は、侵入者5人がカメラと盗聴器と大金を所持、裁判所には腕利きの弁護士が現れ、予審で侵入者の一人がCIA出身であると答弁したのに違和感を覚え、スクープを予感。同僚のカール・バーンスタインと競り合いながら疑問をしらみつぶしにするうちに、国をひっくり返す衝撃の真実を掘り当ててしまう。携帯電話もパソコンもない時代に、固定電話にかけ続けて証人を口説き落とし、山のように積まれた書類を1枚ずつ目で確認する地道な取材を続けた2人。権力の妨害工作にも音を上げず、権力監視に徹した彼らのジャーナリズムに感嘆する。