大阪城消えた金棗 大阪城消えた金棗

大阪城消えた金‪棗‬

    • ¥300
    • ¥300

発行者による作品情報

泉鏡は愛知県名古屋市にあるK女子大でフォークロア学を教える五七才の大学教授である。

泉鏡は専門とする学問の性質上、世界中を旅行して民俗や文化の研究に従事している。外国での滞在が数週間から数ヶ月に及ぶこともあるが、そのためか、または彼が発するオーラのせいなのか、彼の研究旅行には必ずといっていいほど何かしらの事件が起こる。

大阪城のそばでホームレスが名古屋の女性に金の棗を売った。その夫がパリのヴァンドーム広場の宝石店で三千万円で売ったことがテレビで報道される。泉はヴェルサイユで学会発表旅行に学生を連れてでかけた。卒業生たちもそれを聞きつけてパリで合流する。旅行のついでに棗を買った宝石店に行くと、すでにその棗を大阪城の学芸員が買い戻していた。パリのホテルでポルトガル人窃盗団がその棗を盗んだが、仲間割れが原因で殺人事件に発展し、棗は無事学芸員の手に戻った。

日本に帰って大阪城に行ってみると、学芸員が、棗で三千万円を手に入れた主婦が三千万円を返してくれるという。泉が頼んだからである。発掘現場に行ってみると、問題のホームレスが発掘調査をしていた。泉の推理ではホームレスは学会で学説上の対立で爪弾きになった学者の羽柴秀人で、自説を証明するために金の棗を売ったとマスコミにタレこんだのだ。直接ホームレスに確かめると、まさしくその羽柴秀人であった。

発掘現場から網島に出てみると憔悴しきった女性がいた。蒸発した夫を探して毎日のように手がかりを求めてさまよっているという。羽柴夫人であった。自説が証明されて恨みが晴れた羽柴は夫人の元へ帰る日が来た。こうして泉鏡教授の旅行事件簿に新たなページが増えたのであった。

ジャンル
アート/エンターテインメント
発売日
2016年
6月20日
言語
JA
日本語
ページ数
52
ページ
発行者
中田平
販売元
Digitalestate INC
サイズ
545.7
KB
迷宮の彼方 迷宮の彼方
2017年
鬼師クミたんの奉納旅行 鬼師クミたんの奉納旅行
2020年
サルトルの亡霊 サルトルの亡霊
2020年
ボルドーの秘宝〜現代フランス人の忘れられた祖先〜 ボルドーの秘宝〜現代フランス人の忘れられた祖先〜
2019年
美の挑戦〜日本の美容院がパリへ〜 美の挑戦〜日本の美容院がパリへ〜
2019年
グィネヴィア姫の首飾り グィネヴィア姫の首飾り
2018年