失楽園(上)
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3.6 • 23件の評価
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発行者による作品情報
凛子と久木はお互いに家庭を持つ身でありながら、真剣に深く愛し合ってゆく。己れの心に従い、育んだ“絶対愛”を純粋に貫こうとする2人。その行きつく先にあるものは……。人間が「楽園」から追放された理由である“性愛=エロス”を徹底的に求め合う男女を描き、人間とは何かを問うた、渡辺文学の最高傑作!
APPLE BOOKSのレビュー
大人の男女による許されない関係を赤裸裸に描き、テレビドラマや実写映画化もされた渡辺淳一の恋愛小説『失楽園』。一般向けの新聞連載小説ながら異例の性描写の多さで話題となった。出版社で働く久木祥一郎は、50歳を超えて閑職へと追いやられ、仕事への情熱を失った日々を送っていた。そんなある日、友人の依頼で引き受けたカルチャーセンターの講演の後、書道の講師をする松原凛子と出会う。医者の夫を持つ松原凛子に引かれてしまった久木は凛子と次第に踏み入ってはいけない禁断の仲へと落ちていく…。明治、大正時代に活躍した小説家、有島武郎の軽井沢心中事件をモチーフにした本作。人間は駄目だと分かっていても、抑えられない思いや衝動に打ち勝つことができないのかもしれない。不倫小説の代表作ともいわれるこの作品は、人間の性をつまびらかにしながら、人が愛するとはどういうことかを読者に問いかけているようにも思える。