女筆色みどり[いろみどり](中・下‪)‬

女筆色みどり[いろみどり](中・下)
【判型】大本3巻3冊。収録順に縦268・261粍。
【作者】春名須磨書。
【年代等】享保9年9月書・刊。[大阪]吉文字屋市兵衛板。
【備考】分類「往来物」。『女筆色みどり[いろみどり』は、妙躰風を学んだと思われる春名須磨の女筆手本。四季や五節句を主題とした消息例文を綴ったものだが、配列は必ずしも月次順ではない。いずれも比較的長文で、上巻に「新年祝儀の披露状」以下6通、中巻に「桃の節句祝儀状」以下7通、下巻に「久々の手紙への礼とともに『栄花物語』『狭衣物語』等の写本を贈る文」以下5通の、合計18通を収録。うち4通が大字・3行・無訓の並べ書きで、他は全て大字・無訓の散らし書き。春名須磨11歳の書で、『享保14年書目』中にも「須磨十一歳」とわざわざ年齢を書き添えており、当時の評判の高さを思わせる。なお、『大阪出版書籍目録』によれば、彼女は播州佐用郡新宿村の百姓・小三郎の娘で農家出身であった。