妖怪の子預かります
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4.3 • 57件の評価
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- ¥800
発行者による作品情報
弥助は十二歳。養い親である按摩、千弥と共におんぼろ長屋暮らしをしている。貧乏ながらも平和な毎日を過ごしていたが、ある夜、いきなり恐ろしげな烏天狗にさらわれ、妖怪奉行所に連れていかれる。悪夢を見た弥助が鬱憤晴らしに割ってしまった石が、子預かり妖怪うぶめの住まいだったというのだ。妖怪の御奉行に、「罰として、新たな住まいが見つかり、うぶめが戻るまで、うぬが妖怪子預かり屋になれ」と命ぜられる弥助。それからというもの、次々と家にやってくる子妖怪達に振り回される日々が始まるが……。心あたたまるお江戸妖怪ファンタジー。
APPLE BOOKSのレビュー
2006年に冒険ファンタジー小説でデビュー、妖怪や魔物などが登場する作品で注目を集める廣嶋玲子。本作「妖怪の子預かります」では、ふとしたことから妖怪の子守をすることになった少年の奮闘をユーモラス、かつ人情味豊かに描く。主人公の弥助は、ある夜ひどい悪夢にうなされて、気晴らしに戸外へ。ふと見つけた白い石をたたき割ってしまうが、その石は妖怪の子守をする"うぶめ"の住み処だった。家を壊されて行方がわからなくなった"うぶめ"の代わりに、弥助は子守を命じられる。物語に豊かな息吹を与えているのは、美丈夫や強面など個性豊かな妖怪たち。古くから語り継がれている烏天狗などもいれば、どじょうの妖怪など著者オリジナルの妖怪も登場する。ていねいに姿形を描写することで、オリジナルの妖怪にも既視感を与えるのは、著者の巧みな筆力の賜物だろう。さらに、健気な弥助の成長や子妖怪たちとのやり取りに心和まされ、弥助たちの活躍には胸がすく。すっきりした読後感が魅力的な妖怪ファンタジーの秀作。
カスタマーレビュー
あったかい!
人と妖怪の関わりの中での、優しいあったかさを感じました。登場人物の性格や裏に隠れている愛情をふわっと感じる事の出来る作品です!次回作も楽しみにしてます!