完本 妖星伝 (01) 鬼道の巻・外道の‪巻‬

APPLE BOOKSのレビュー

SF作家、半村良が20年もの歳月をかけて完結させた伝奇SFロマン「妖星伝 - 鬼道の巻・外道の巻」。江戸時代中期、太古の昔より歴史の闇の中で暗躍してきた超常能力を持つ "鬼道衆" が平安の世の転覆を図って動き始める。不老不死の外道皇帝、黄金城、数々の奇怪な登場人物たち、そして銀河を俯瞰する異星人まで、読者のイマジネーションを刺激する要素にあふれ、その奇想天外な面白さに、長大なボリュームを感じさせることなく一気に読了してしまう、圧倒的なエンタテインメント作品。著者の歴史や科学、宗教、哲学などに関する知識は膨大で、ストーリーを追ううちに、気がつけば人類の進化、生命の誕生やその意味、ひいては全宇宙、そして未来にまで跳躍していく壮大な思想性とスケールをもった物語世界に飲み込まれてゆく。