宝訓女大学(滕湛水板・口絵色刷本)
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Publisher Description
宝訓女大学(滕湛水板・口絵色刷本)
【判型】大本1冊。縦255粍。
【作者】不明。
【年代等】天保11年頃刊。滕湛水蔵板([京都]丸屋半兵衛売出)。
【備考】分類「往来物」。袋綴じ展開収録(見開き図再掲)。『宝訓女大学』は、『大坂本屋仲間記録』に記録が残る『女大学』の類板・重板事件の一つとなった、出版史上の重要資料。原本には「青牛堂、滕湛水蔵版」の記載のみだが、記録によれば、天保11年2月以前に京都書肆・丸屋半兵衛が出版したもので、『女大学』の全文を掲げた完全な重板として訴訟の俎上に上がった。初板本系『女大学』板元の柏原屋や大坂本屋仲間役人らが天保11年2月に京都に赴き『宝訓女大学』の板木を没収し、京都本屋仲間に販売差し止めを願出した。しかしながら、その直後にどういう訳か、示談により柏原屋が販売停止を取り下げている。そのためか、『宝訓女大学』にはいくつかの板種も見られ、時々目にする史料である(家蔵本にも4-5冊ある)。どのみち、水野忠邦「天保の改革」の株仲間解散により大坂本屋仲間も天保12年12月から嘉永4年3月までは解散され、重板・類板の取締りがなくなったため、『女大学』の海賊版は激増の一途を辿り、『女大学』の版権もないがしろにされていった。このような点で出版史上画期をなす時期の史料といえよう。