実業家処世‪訓‬

渋沢栄一 述
大正五年十二月二十四日印刷
大正五年十二月二十七日発行
発行所 博文館

緒言
第一篇 近時の大勢
第一 明治天皇の大御心
第二 世道人心涵濁の反面
第三 大矛盾中にある実業
第四 政治対実業家の関係
第五 仁義道徳と利用厚生
第六 論語と珠盤一致の要義
第七 真摯の気風欠如の一端
第八 商業道徳一般の要義
第九 国位の向上と国民の品位
第十 大国民たるの修養点
第二篇 時局感想
第十一 文明の絶頂と大野蛮
第十二 仁義道徳と弱肉強食
第十三 弱肉強食と王道普及
第十四 戦争と経済との関係(一)
第十五 戦争と経済との関係(二)
第十六 時局対国運発展の要義
第十七 時局の変転と経済難
第十八 時局の介する進路方針
第十九 一信万事を貫く大本
第二十 理想界の出現は那時ぞ
第三篇 実業青年訓
第二十一 大正風潮と世界的大勢
第二十二 青年立身の根本的覚悟
第二十三 昔の青年と今の青年
第二十四 現代学校教育の通弊
第二十五 学業青年の出世要義
第二十六 人格
第二十七 義
第二十八 礼
第二十九 智
第三十 信
第三十一 孝道
第三十二 忠恕
第三十三 元気
第三十四 健康
第三十五 勤勉
第四篇 実業家処世訓
第三十六 人生の本分
第三十七 実業本道
第三十八 富者の要務
第三十九 人情の弱点
第四十 中庸道
第四十一 順逆両境の覚悟
第四十二 楽観主義
第四十三 郷里興風
第四十四 処世の標準
第四十五 根本観念
第五篇 我半生の処世
第四十六 幼年時代の処世
半生一貫の赤誠
渋沢家中興厳父の性行
剛情一徹の三つ子魂
和漢雑書の読破熱注
第四十七 青年時代の処世
父の憂慮と家業精励
藍の買入に村人驚嘆
代官の横暴に痛憤慷慨
時勢一変人心沸騰
第四十八 憂国放浪時代の処世
蹶然出郷志士と来往
高崎城夜襲の画策
月夜の論判悲痛断腸
厳父最後の訓誨一家荒涼
決死の論争暴挙中止
京都に脱走友人の危難
一橋奉仕針路一転
第四十九 仕官時代の処世
維新改革と豪族政治
世態変転幾断腸
泣て慶喜公に怨言申上
官制改革財政整理
財政案で大久保卿と抗論
井上侯と結托大阪転任
第五十 辞官と処世
井上侯と共に決然辞官
実業界廊正に献身決死
奮闘処世一貫の微衷