宮沢賢治大全
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Publisher Description
(宮沢賢治について)
宮沢賢治(一八九六年—一九三三年)は、日本の詩人であり、また童話作家です。
郷土岩手に基づいた創作を行い、作品中に登場する架空の理想郷に、岩手をモチーフとしてイーハトーブ(Ihatov、イーハトヴあるいはイーハトーヴォ(Ihatovo)等とも)と名づけました。
生前は無名に近い状態でしたが、没後に草野心平らの尽力により作品群が広く知られ、世評が急速に高まり国民的作家とされていきました。次の高村光太郎の宮沢賢治についての文章は、その作品の価値を教えています。
……もう一人の大詩人宮澤賢治は稗貫郡花巻町に明治二十九年に生れ、この人もたった三十八歳で死にましたが、その為しとげた仕事の立派さは驚くばかりです。此の詩人の詩や童話は実にたくさんあり、どれをよんでみても心が清められ、高められ、美しくされないものはありません。非常に宗教心にあつく、法華経《ほけきょう》を信仰して、まるで菩薩《ぼさつ》さまのような生活をおくっていました。仏さまといってもいい程です。自分をすてて人の為に尽し、殊に貧しい農夫の為になる事を一所懸命に実際にやりました。詩人であるばかりでなく農業化学や地質学等の科学者でもあり、酸性土壌改良の炭酸カルシュームを掘り出したり、世の中にひろめたりしました。皆さんの知っている「雨ニモマケズ」の詩は病気でねている時に書いたのですが、今日でも多くの人に救と力とを与えています。「風の又三郎」を映画で見た事がありますか。あの童話も宮澤賢治の作ったものです。此詩人は全く世界的な大詩人といっていいでしょう。(高村光太郎 「啄木と賢治」より)
(この本について)
この本は青空文庫に収録されている宮沢賢治の全作品を、ジャンル別に分けて、ほぼ制作年順に収録したものです。以下のような構成となっています。
第一部 詩
第二部 童話
第三部 その他
第一部の詩には以下の詩を収めました。
「心象スケッチ 春と修羅」
「春と修羅 第二集」
「春と修羅 第三集」
「春と修羅 補遺」
「詩ノート」
「疾中」
「雨ニモマケズ手帳」
「文語詩稿 五十篇」
「文語詩稿 一百篇」
「文語詩未定稿」
第二部の童話には以下の童話を収めました。
童話集「注文の多い料理店」より九篇
(注文の多い料理店序)
どんぐりと山猫
狼森と笊森、盗森
注文の多い料理店
烏の北斗七星
水仙月の四日
山男の四月)
かしわばやしの夜
月夜のでんしんばしら
鹿踊りのはじまり
また以下の二十九篇はよく取り上げられる童話であり、続いて掲載した。
銀河鉄道の夜
風の又三郎
ポラーノの広場
グスコーブドリの伝記※
貝の火
よだかの星
カイロ団長
フランドン農学校の豚
ツェねずみ
クンねずみ
鳥箱先生とフウねずみ
雁の童子
雪渡り
やまなし
氷河鼠の毛皮
シグナルとシグナレス
オツベルと象
ざしき童子のはなし
猫の事務所
ビジテリアン大祭
土神と狐
楢ノ木大学士の野宿
マリヴロンと少女
タネリはたしかにいちにち噛んでいたようだった
虔十公園林
なめとこ山の熊
北守将軍と三人兄弟の医者
セロ弾きのゴーシュ
さるのこしかけ
また以下の六十一篇についても優れた作品が多い。未完に終わっているものや、最初の部分が欠落しているものも掲載している。
朝に就ての童話的構図
ありときのこ
いてふの実
イーハトーボ農学校の春
インドラの網
おきなぐさ
蛙のゴム靴
学者アラムハラドの見た着物
花壇工作
ガドルフの百合
革トランク
黄いろのトマト
饑餓陣営(戯曲)
気のいい火山弾
蜘蛛となめくじと狸
車
氷と後光
さいかち淵
サガレンと八月
十月の末
十六日
植物医師(戯曲)
税務署長の冒険
台川
谷
種山ヶ原
チュウリップの幻術
月夜のけだもの
手紙 一
手紙 二
手紙 三
手紙 四
電車
毒蛾
毒もみのすきな署長さん
とっこべとら子
鳥をとるやなぎ
虹の絵具皿
二十六夜
化物丁場
畑のへり
花椰菜
茨海小学校
ひかりの素足
ひのきとひなげし
二人の役人
葡萄水
ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記
ペンネンノルデはいまはいないよ 太陽にできた黒い棘をとりに行ったよ
洞熊学校を卒業した三人
ポランの広場
マグノリアの木
祭の晩
まなづるとダァリヤ
みじかい木ぺん
めくらぶどうと虹
柳沢
よく利く薬とえらい薬
四又の百合
龍と詩人
若い木霊
第三部 その他には以下の文章を収めました。
農民芸術概論
農民芸術概論綱要
農民芸術の興隆