家康、死す(上)
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3.6 • 9件の評価
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発行者による作品情報
家康は身代わりだった! ――独力で三河一国を平定した家康が、凶弾に倒れた。時に26歳。その死が伝われば、桶狭間で勝った織田信長、甲斐の武田信玄、衰えたとはいえ今川氏真らに挟まれた脆い均衡が揺らぎ、三河存亡の危機を招く。家康の第1の側近・世良田次郎三郎は、広忠寺の住職に収まっていた家康の異母弟・恵最を急遽身代わりとして擁立した。<上下巻>
APPLE BOOKSのレビュー
徳川家康影武者説に、新たな解釈で挑んだエンターテインメント小説。戦国時代に終止符を打ち、天下統一を果たした徳川家康に影武者がいたという説は、昔から多くの作家たちの創作意欲を刺激してきた。本書もその流れをくむが、多くの創作物で影武者の有力候補とされる世良田次郎三郎を主人公としながら、新たな影武者を立てているのが斬新。新旧2人の影武者が、それぞれが理想とする家康像を巡って対立する過程に緊張感が走る。また、家康が死んだとされる時期を、天下の行方が定まっていない三河統一期に設定しているのも新鮮だ。元が新聞連載なだけあって、細部まで丁寧な描写もさることながら、SF作家らしい勢いのある筆致で奇想天外な設定をすんなりと受け入れさせる。さらにストーリーが進むにつれて起きる、どんでん返しにも驚愕(きょうがく)。何より、影武者が家康になったことで生じる数々の事件と史実を巧みにリンクさせ、歴史的には謎とされている家康の行動に説得力を持たせている点が秀逸で、思わずフィクションであることを忘れてしまいそうになる。
カスタマーレビュー
競馬歴50ねん
、
家康、死す
猜疑的ではあったが面白い。
下巻へ。