富栄養化海域における水生生物の環境病理学
過酸化脂質含有懸濁物質の病害作用
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発行者による作品情報
本書は、1990年代初頭から二十数年間にわたって行われた、貝類の大量死を中心とする水生生物の病理研究をまとめた書籍です。実験・観察に伴い撮影された貴重な写真を約450点掲載しています。
水生生物の大量死は、生物学的側面から社会情勢まで実に多くのことを物語りますが、巨視的に見れば、富栄養化による海の生態系の崩壊という大きな流れの中で起きていることは確かです。本書では、著者自身による長年のフィールドワークから得られた知見に基づき、富栄養化海域における水生生物の病理研究に新しい理論的枠組を提示します。
自然との共生が強く求められる今、改めて身近な海のあるべき姿を考えるための一つの手がかりを示す一冊です。
【目次】
第1章 養殖アコヤガイの大量死
第2章 有明海・八代海における二枚貝の大量死
第3章 富栄養化海域における二枚貝の生殖細胞の病変と生殖機能(予察的研究)
第4章 有明海とその近隣海域おけるLPCSSの動態(予察的研究)
第5章 種苗生産過程におけるアワビ稚貝の大量死
第6章 貝類の脂質蓄積症
第7章 富栄養化海域における海藻類の病変