山田くんと7人の魔女(1‪)‬

APPLE BOOKSのレビュー

特殊な能力を身につけた少年少女たちの学校生活をコミカルに描き出したスクールラブコメディ「山田くんと7人の魔女」。ある日、私立朱雀高校に通う不良少年・山田竜は、階段から落ちたはずみから優等生の白石うららとキスをしたことで、なぜか体が入れ替わってしまう。不思議な現象を利用して度々入れ替わるようになった2人。この能力に気づいた周囲の学生と共に、廃部寸前だった超常現象研究部を拠点に力の謎に迫ろうとする。原作者は、「ヤンキー君とメガネちゃん」のヒットで一躍人気マンガ家となった吉河美希。本作でもスピード感あふれる展開で魅了し、これぞ吉河美希作品と呼ぶにふさわしい内容に仕上がっている。どこまでも前向きな山田の姿も痛快で、読む者を引き込み、元気を与えてくれる。この物語の鍵となるのは山田と白石の恋の行方。お互い体を入れ替えるうちに次第に心を通わせていく2人の姿に胸が躍り、早く続きが読みたくなるストーリー構成も見事。