



帳簿の世界史
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4.4 • 5件の評価
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発行者による作品情報
「権力とは財布を握っていることである」
アダム・スミス、カール・マルクス、マックス・ウェーバー……。
彼らが口を揃えて主張していた「帳簿」の力とは、一体何なのか。
これまでの歴史家たちが見逃してきた「帳簿の世界史」を、
会計と歴史のプロフェッショナルが初めて紐解く。
・なぜスペイン帝国は栄え、没落したのか。
・なぜフランス革命は起きたのか。
・なぜアメリカ独立は成功したのか。
・なぜ日本は急速に列強へ追いつくことができたのか。
その歴史の裏には全て、帳簿を駆使する会計士たちがいた!
【目次】
■序章ルイ一六世はなぜ断頭台へ送られたのか
■第1章帳簿はいかにして生まれたのか
■第2章イタリア商人の「富と罰」
■第3章新プラトン主義に敗れたメディチ家
■第4章「太陽の沈まぬ国」が沈むとき
■第5章オランダ黄金時代を作った複式簿記
■第6章ブルボン朝最盛期を築いた冷酷な会計顧問
■第7章英国首相ウォルポールの裏金工作
■第8章名門ウェッジウッドを生んだ帳簿分析
■第9章フランス絶対王政を丸裸にした財務長官
■第10章会計の力を駆使したアメリカ建国の父たち
■第11章鉄道が生んだ公認会計士
■第12章『クリスマス・キャロル』に描かれた会計の二面性
■第13章大恐慌とリーマン・ショックはなぜ防げなかったのか
■終章経済破綻は世界の金融システムに組み込まれている
■日本版特別付録帳簿の日本史(編集部)
■解説山田真哉
APPLE BOOKSのレビュー
世界の歴史を裏から支えてきた、会計と帳簿の重要性を知る一冊。個人の生活から国家の運営まで、あらゆる経済活動が一目で分かるように、記録し整理しておくのが帳簿。古代ローマやバビロニアで見られる初期の帳簿の概念から、約700年前に北イタリアで生まれた複式簿記まで、正確な帳簿の存在が、いかに資本主義経済や政権運営に貢献してきたのかを、実例と共に紹介していく。会計の果たす役割を理解していた国家は栄え、軽視したりごまかしたりする国家や組織は腐敗し滅んでいく。数々の先例があるにもかかわらず、近年にもリーマンショックやギリシャの経済破綻など、無責任な為政者とずさんな会計管理によって引き起こされた不祥事や経営危機は尽きない。だからこそ、本書で取り上げる歴史的事件の数々に、現代人に向けた提案を見ることができる。西洋史が中心となるが、巻末には日本版特別付録として、日本史における帳簿の歴史についても解説。経理や会計に関わったことのない人でも、楽しみながら帳簿についての理解を深めることができる。