



弔い月の下にて
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- ¥1,600
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発行者による作品情報
目羅博士でも真相は見抜けまい。
大乱歩が読んだら、どれだけ喜んだことだろう。
――春日武彦(精神科医)推薦!
心理学を専攻する大学院生の夷戸と彼の先輩の根津、ふたりの行きつけの喫茶店のマスターの美菜は三人で壱岐に旅行にやってきた。
根津の提案でボートを借り、かつて隠れキリシタンの島民が大量死したという曰くある島「弔月島(ちょうげつとう)」の見物に出かける三人。島にはキリシタンの末裔である富豪が築いた奇妙な館・淆亂館(ばべるかん)が残っていた。
上陸した三人は、「館の使用人」を名乗る獰猛な男たちに拉致され、館に軟禁される。そこにいたのは、有名な劇団のメンバーたちとゴシップ記者。淆亂館の主は、彼ら全員と因縁のある、十年前に失踪した「伝説の俳優」なのだと言うが……
謎の黒衣の男が跋扈し、次々と起こる謎めいた殺人。作者渾身のシリーズ第三作は、異常なロジックと奇矯なトリックが炸裂する傑作変格ミステリ!
◆<著者のことば>
前作『墓地裏の家』の刊行から十年が経ってしまった。しかし『弔い月の下にて』には、謎の使用人、異常心理学、宗教、怪奇趣味etc.と、私の趣味嗜好のすべてを注力したと言っても過言ではない。本作は変格探偵小説なのか? はたまた異形の本格なのか? 読者諸賢の御判断に委ねたいと思う。