



弟は僕のヒーロー
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- ¥1,100
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発行者による作品情報
兄が綴るダウン症の弟と家族の日々、文庫化。
“ポケットに入れて持ち歩ける親友みたいな存在”の本に、わたしはずっと出会いたかった。願いが叶いました。
―― 解説 岸田奈美(作家)
僕は5歳のとき、パパとママから弟が生まれると聞かされ、大喜びした。姉と妹に囲まれた僕は、ずっと一緒に遊べる男兄弟がほしかったのだ。
しかも、どうやら弟は「特別」らしい。
僕はスーパーヒーローを思い描き、一緒に闘いごっこをすることを想像した。だけど、生まれてきた弟は僕が思っていた「特別」とは何かが違っていた。僕はだんだん「特別」の意味を知り、中学校に入ると弟の存在を友達に隠すようになった……。
2024年1月、映画全国公開。19歳の青年がダウン症候群の弟、家族や友人との愛おしい日々と葛藤を等身大の文章で綴ったイタリア発ベストセラー、待望の文庫化。解説は岸田奈美さん、装画はヨシタケシンスケさん!
※この作品は単行本版『弟は僕のヒーロー』として配信されていた作品の文庫本版です。
APPLE BOOKSのレビュー
2024年に映画化された、イタリア発のノンフィクションエッセイ『弟は僕のヒーロー』。現役高校生だった少年が、最高の友人であるダウン症候群の弟と作り上げたショートムービーをきっかけに、弟や家族、そして友人たちとの愛おしい日々を等身大の言葉でつづる。ジャコモは5歳の時に、待望の弟が生まれることを両親から聞かされた。その弟、ジョヴァンニは「特別」だという。ジョヴァンニのやることすべてに不思議を感じ、戸惑っていたジャコモは、思春期の葛藤を経て、弟が見ているファンタスティックな世界の自由さ、素晴らしさに気付いていく。先入観を捨てて、その人の内側にあるかけがえのない世界をシンプルに受け入れること。彼らの両親のポジティブさ、温かさ、深い愛情、そして姉妹たちのジョヴァンニへの純粋で真っすぐなまなざし。そんな豊かな家族に包まれてきたからこそ、ジャコモとジョヴァンニは唯一無二の関係を築けたのだろう。作品にちりばめられた言葉や信念は、読者が迷い悩んだ時に道を照らしてくれる。作家、岸田奈美による巻末解説も深い余韻を残す。