怪しことがたり(1‪)‬

APPLE BOOKSのレビュー

霊感の強い少女が現世と常世のはざまで妖怪と親しむ『怪しことがたり』。お化け屋敷と噂される古い屋敷に移り住んできた女子高生の高原八千穂。不思議な生き物に導かれて地下に足を踏み入れると、そこには想像を絶する世界が広がっていた。日本に古くから伝わる神や精霊をモチーフに、この世に紛れ込んだ大小さまざまな妖怪を日本画的なタッチで迫力たっぷりに描く和風ファンタジー。薄暗く不穏な雰囲気を漂わせつつ、怖いだけではないかわいらしい精霊も登場して癒やされる。物おじしないマイペースなヒロイン、八千穂の大胆さもクスリと笑いを誘い、ストーリーに軽快さを生んでいる。