



愛と呪い 1巻
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3.7 • 47件の評価
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発行者による作品情報
物心ついた頃には始まっていた父親からの虐待、宗教にのめり込む家族たち。愛子は自分も、自分が生きるこの世界も、誰かに殺して欲しかった。阪神淡路大震災、オウム真理教、酒鬼薔薇事件……時代は終末の予感に満ちてもいた。「ここではないどこか」を想像できず、暴力的な生きにくさと一人で向き合うしかなかった地方の町で、少女はどう生き延びたのか。『ぼくらのへんたい』の著者が綴る、半自伝的90年代クロニクル。
カスタマーレビュー
暗い気持ちになる
名前も今ある状況も自分のことかと思うくらいすごく共感しながら読んでしまいました。
この内容に共感というのは違和感ありますが、私もいつか大人になって、自分で稼げるようになって普通の女の子のように大切にしてくれる誰かに出会って愛してもらって子供が産まれて、贅沢はしなくとも家族団欒というか、仲睦まじいというか、ごく普通の幸せがきっとあると信じて生きてきましたが、現実はそう甘くない。この内容のように病院に行こうが誰かに相談しようが、状況は変わらない。
小さい頃から不幸だった人はずっと不幸な気持ちから抜け出せない。
この苦しいサイクルとそのたびに手を差し伸べてくれる人の期待に応えられない自分にまた劣等感また苦しい。
いったい何が救ってくれるのだろうか。
自分の好きなものもわからないから生きがいも縋るものもない。
このこと自体を考えないように、感情をあまり出さないよう、(これが一番楽な生活の仕方)生活してきましたが、
久々にこんなに暗い気持ちになり、いろいろとまた考えてしまいました。
1つこんな経験をしてよかったことは一巻のp.119、のように、誰かに共感できること。
一番辛い時期にこんなこと言って一緒に問題を解決してくれる大人がいたら何か変わっていたのかなと思いました。
また、誰もが耳にしたことある事件が要所で出てきますが、犯人に寄り添うような主人公の気持ちも描かれていて、特別でありたい主人公は自殺者も殺人鬼にもなれない、何にもなれなれない特別でない自分に苦しんでいるのも描かれています。
この描写も、異常ではあるけど辛い系経験をしてしまったからこそ理解出来てしまう。