戦争史大観
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一戦争の進化は人類一般文化の発達と歩調を一にす。即ち、一般文化の進歩を研究して、戦争発達の状態を推断し得べきとともに、戦争進化の大勢を知るときは、人類文化発達の方向を判定するために有力なる根拠を得べし。
二戦争の絶滅は人類共通の理想なり。しかれども道義的立場のみよりこれを実現するの至難たることは、数千年の歴史の証明するところなり。
戦争術の徹底せる進歩は、絶対平和を余儀なからしむるに最も有力なる原因となるべく、その時期は既に切迫しつつあるを思わしむ。
三戦争の指導、会戦の指揮等は、その有する二傾向の間を交互に動きつつあるに対し、戦闘法及び軍の編成等は整然たる進歩をなす。
即ち、戦闘法等が最後の発達を遂げ、戦争指導等が戦争本来の目的に最もよく合する傾向に徹底するときは、人類争闘力の最大限を発揮するときにして、やがてこれ絶対平和の第一歩たるべし。