「戦前歴史学」のアリーナ 歴史家たちの一九三〇年代 「戦前歴史学」のアリーナ 歴史家たちの一九三〇年代

「戦前歴史学」のアリーナ 歴史家たちの一九三〇年‪代‬

    • ¥2,600
    • ¥2,600

Publisher Description

戦後歴史学が批判すべき対象としていた「戦前」の歴史学について、その出発点を1930年代に生まれた新しい歴史学の潮流のなかに見出す。多様な歴史学が興隆するなか、そこで生まれた歴史学研究会と、それを牽引した歴史家たちがたどった戦中・戦後も射程に入れて、現代の歴史学が切りひらく視座を提示する。

〈「あとがき」(下村周太郎)より〉
企画が進む中で、私自身は1932年を問うことが、今を問うことと重なり合う感覚をしばしば覚えた。1932年は歴研が生まれた年であるが、……1932年に第一次世界大戦後の(第一次)「戦後」歴史学の到達点を見て取ることもできようし、第二次世界大戦前の「戦前」歴史学の出発点を見出すこともできる。……「戦後」は即時に認識できるが、「戦前」は事後にしか認識しえない。本書を読んでいると、戦前歴史学と戦後歴史学との断絶・相違だけでなく、両者間の連続・共通にも思いが至る。

【主要目次】
まえがき(加藤陽子)

1 一九三〇年代の歴史学の「刷新」と黎明期の『歴史学研究』(加藤陽子)
コラム1 確かな「一隅」を築く試み(戸邉秀明)
2 「宮崎市定」の誕生――一九三〇年代の軌跡(井上文則)
3 一九三〇年代の歴史系学会と史学史ブーム(佐藤雄基)

コラム2 昭史会の野郎ども(木下竜馬)
4 社会経済史学会の創立と一九三〇年代前後の社会経済史研究(馬場 哲)
5 戦前東洋史学の展開と歴史学研究会の創立者群像(小嶋茂稔)

コラム3 一九三〇年代の『歴史学研究』にみる地方郷土史家へのまなざし(古畑侑亮)
6 歴史学研究会と二つの皇国史観――平泉澄・吉田三郎を中心に(昆野伸幸)

コラム4 「戦前歴史学」における軍事史・戦争史研究の一側面――原種行の研究を例に(三澤拓弥)
7 両大戦間期フランス歴史学界における危機と刷新――L.フェーヴルの視点から(舘 葉月)

コラム5 黎明期の西洋史部会――その課題と取り組み(十川雅浩)
8 「左派外交史学」の曙光――一九三〇年代日本のマルクス主義史家たち(前田亮介)


あとがき(下村周太郎)

GENRE
History
RELEASED
2023
June 7
LANGUAGE
JA
Japanese
LENGTH
256
Pages
PUBLISHER
東京大学出版会
SELLER
Digital Publishing Initiatives Japan Co., Ltd.
SIZE
1.7
MB
「歴史総合」をつむぐ 「歴史総合」をつむぐ
2022
「主権国家」再考 近代を読み替える 「主権国家」再考 近代を読み替える
2025
日本復帰50年 琉球沖縄史の現在地 日本復帰50年 琉球沖縄史の現在地
2024