戯れの魔王 戯れの魔王

戯れの魔‪王‬

    • ¥1,700
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Publisher Description

甲斐駒ケ岳の山岳地帯に作業場をかまえ、鉄のゲージツ家として活動を続けてきたオレ。後期高齢者となった今は、畑に野菜を作って猿や鹿との攻防を繰り広げ、奈良のお寺から蓮の根をわけてもらい、美しい花を咲かせるのに熱中する日々だ。


そんな作業場へ、サングラスを掛けたスキンヘッドの男たちがやってきた。

「ああ、そうか。マロの一味だな」

「はい、弟子の舞踏者です」

目をやると、テンガロンハットに黒い革のコートをまとった「中央線の魔王」が、桜の木に寄りかかっていた。オレの作品のガラスの柱を舞台に使わせてほしいと言うのだ。

「クマ、一緒に踊るか」

「オレが? マロと?」

子どもの頃から歌も踊りも苦手なオレだが、マロに「ダイジョーブ、俺が演出するんだ。素直な躰ひとつ、お持ちいただけるだけでよろしいので」とまで言われて怯むのは「私に生きる才能は残っておりません」と白旗を掲げるようなものだ。・・・


こうして白塗りのメイクで、麿赤児率いる大駱駝艦の初舞台を踏む「戯れの魔王」。

母の死を看取り、蓮の花が開いて散るまでの4日間を見届けて送り火を焚く「蓮葬り」。

日本アルプス屈指の名峰・甲斐駒ケ岳の初登山に、靴ずれしながら挑みきる「アマテラスの踵」。

鉢植えの蓮を野生の多年草に戻そうと、池を掘って腰をやられた。頑丈な肉体にも老いはしのびよる。そんな作業場に仔猫が迷い込む「ささらほーさら」。

話題作『骨風』のKUMAさん、生きる実感に満ちあふれた最新小説集。

GENRE
Fiction & Literature
RELEASED
2018
November 21
LANGUAGE
JA
Japanese
LENGTH
192
Pages
PUBLISHER
文藝春秋
SELLER
BUNGEISHUNJU LTD.
SIZE
3
MB
骨風 骨風
2015
走れUMI 走れUMI
2013
A(アンペア) A(アンペア)
2011
カミサマ カミサマ
2012