持続可能な魂の利用
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3.0 • 1件の評価
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発行者による作品情報
「毎日会社に行くたびに思うんです、わあ、なんだ、このおっさん地獄は、って」。
会社に追いつめられ、無職になった三十女が、女性アイドルに恋して日本の絶望を粉砕!? 新米ママや会社員も連帯し、「地獄」を変える賭けに挑む。世界幻想文学大賞受賞の著者がおくる、最強レジスタンス小説。
〈解説〉松尾亜紀子
APPLE BOOKSのレビュー
作家、翻訳家、童話作家、元女優など多彩なキャリアを持つ松田青子が、男性優位の理不尽な社会へ強烈なパンチを放った初の長編小説。この社会は“おじさん”によってルールが作られ、運営され、仕切られてきた。彼らの支配下にいる限り、女性は自由になることができない。しかし“おじさん”の作った世界が衰退していく中で、この世界を変えたいと願う女性たちが立ち上がり、革命への一歩に向けて動き出していく。非正規社員、元アイドル、子を持つ母、女子高生などさまざまな立場の視点から、女性として生まれてきたことで感じる現代社会での生きづらさを、ラディカルな“物語”の形をとって世の中に告発している。ある人々にとっては小気味良く、ある人々にとっては少し苦い気持ちになるかもしれない。しかし、登場する女性たちの抱える思いは決して“物語”の中だけにはとどまらず、この社会の実状を映し出すメッセージとして読者の胸に届くだろう。