教育 教育

教‪育‬

    • 2.9 • 69件の評価
    • ¥1,700

発行者による作品情報

「この学校では、一日三回以上オーガズムに達すると成績が上がりやすいとされていて――」
勝てば天国、負ければ地獄の、規律と欲望が渦巻く学校――私の幸せは、正しいのか?
人間の倫理を問う、芥川賞受賞第一作。

発売前から、ネット騒然!
絶賛・困惑・驚愕・恐怖の声、続々!

〇ずるずると引き摺られていくのに読む手が止まらない。悪夢そのものみたいだ。(カツセマサヒコ)
〇おもしろくて白目をむいてる。まだまだ物語ってある。(岨手由貴子)
〇抑圧下の男らしさを描いた”血のかよわないまごころ小説”にして、ジャンル無用の危険な傑作。(鴻巣友季子)

ジャンル
小説/文学
発売日
2022年
1月6日
言語
JA
日本語
ページ数
244
ページ
発行者
河出書房新社
販売元
Digital Publishing Initiatives Japan Co., Ltd.
サイズ
1.3
MB

カスタマーレビュー

:バルクおあ

より洗練された作品

著者3作品目にして、芥川賞受賞第一作。過分な期待がかけられ、作品に付けられた煽り文句とも相まって、読書前のハードルはかなり高かった。しかし見事、「そのようなハードルは元来存在していなかった」という具合に打ち砕かれた作品。ハードルを越えていくのではなく、それが置かれた道とは別路を行く様な作品だった。
主人公は2作目の「破局」と同様に、作者の意図によって丁寧に感情を取り除かれた、客観的な視点を持った人物である。ただ今作が前作と大きく異なるのはやはり設定である。超能力によって位を決められ、強い統制化を測る特殊な学園が舞台である。その学園では1日3回のオルガズムが推奨される。統制された生活の中に意図的に与えられたように見える性欲と、それに従う力、抗う力をディストピア的に描いた作品である。
著者の特徴としては、やはり平易な文章に独自のユーモラスな視点を加える不思議な文章である。それは今作でも健在であり、前作の「破局」にも増して洗練されている。殊に今作は、著者の意図的なものなのか、より不必要な文章が削られ、不必要に見える必要な文章が加えられている。
作品を生めば生むほどそれが面白くなる。これは著者の大きな魅力だと私は思う。彼の次作が確実に今作よりも面白くなると、私は確信している。次作を不安なくここまで期待させてくれる彼のような作家は、そこまでいないだろう。

不器用で【電子版特典付き】 不器用で【電子版特典付き】
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