



文鳥
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4.0 • 45件の評価
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発行者による作品情報
「文鳥」は明治時代に活躍した日本の小説家、評論家、英文学者である夏目漱石の最初の小説。この作品は底本の「夏目漱石全集10」[ちくま文庫、筑摩書房、1988(昭和63)年]に収録されている。
カスタマーレビュー
梢風
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眼前にありありと
漱石の目から、白く軽い文鳥が生きものらしい淋しさで美しく描かれている。昔の女の回想を通して、交錯し低徊する漱石の複雑な思考が透けて見える。水を頭からかけられた文鳥と、鏡で日の光の反射のいたずらを受けた昔の女の場面などは、漱石自身がまったく彼らの目から自分を詠じているように思われる。文鳥の目のまわりの色が朱から蒼になり、こどもの無邪気さに葬られて、この短い物語は静かに終わる。
真穂さん
、
寂しいことですが
日頃の忙しさにかまけて誰かを知らぬ間に傷つけていたり、忘れてしまっていたりするのでしょうね。しかもそれに気づかないことも多いのでしょう。