



新装版 星降り山荘の殺人
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3.4 • 20件の評価
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発行者による作品情報
雪に閉ざされた山荘。そこは当然、交通が遮断され、電気も電話も通じていない世界。集まるのはUFO研究家など一癖も二癖もある人物達。突如、発生する殺人事件。そして、「スターウォッチャー」星園詩郎の華麗なる推理。あくまでもフェアに、真正面から「本格」に挑んだ本作、読者は犯人を指摘する事が出来るか。
APPLE BOOKSのレビュー
推理小説家、倉知淳が"雪に閉ざされた山荘"というクローズドサークルを舞台に、読者を手玉に取る本格長編ミステリー「星降り山荘の殺人」。広告代理店で働く杉下和夫は上司と揉めて左遷され、「スターウォッチャー」なる怪しい肩書を持つ文化人タレント・星園詩郎のマネージャー見習いとなる。そんなある日、仕事で訪れていた山荘で殺人事件が起こる。山荘には、UFO研究家、女流作家とその秘書、星園のファンの女子大生、不動産開発業者とその部下といった面々。吹雪が吹き荒れ、外界との連絡が断たれたこの中に犯人がいるのか?杉下をワトソン役に、星園は推理を進めていくが...。都筑道夫の名作「七十五羽の烏」に倣い、各章の冒頭に添えられた作者による小見出しや現場の見取り図など、読者に推理への参加を促すガジェットを用意しながら、同時にぎりぎりのフェアプレイで読者を欺く技法が冴えわたる。ユーモラスな筆致とロジカルな推理が両立したミステリーの逸品。