明日、月の上で
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- ¥440
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発行者による作品情報
初恋がすべてになるなんて、あたしの人生、こんなはずじゃなかったのに…。一途に恋い慕って追いかけるトビ子。ひらりとかわす風来坊ブンちゃん。切ないはずの恋なのに、なぜか彼女の周りは明るい騒々しさに満ちている。元気な女の恋物語。
APPLE BOOKSのレビュー
市井の人のささやかな日常をすくい上げる作風で人気の平安寿子による「明日、月の上で」。初恋の人を追い、とある温泉街に住み着いた20代のトビ子はラーメン屋でバイトを始める。文才を見込まれ、ストリッパーのマリアから半生記を書くように依頼されたことで、ストリップ小屋に通うようになり、そこで生きる人たちや街の人と心を通わせるようになる。本作は、46歳で遅咲きのデビューを果たした著者が25歳のときに書いた短編をもとに書き上げたもので、作家に憧れていた20代当時の感性に満ちた、文筆活動の原点とも言える作品。夢見がちだったトビ子が、心優しき人と出会い、生きがいを得てたくましく成長していく姿は、60代になった今も精力的に人生讃歌の物語を生み出し続け、読者に勇気を届ける著者の生き方と重なる。タイトルは、ある名曲にちなんで付けられたもの。読後、その意味が心に沁みるはず。
カスタマーレビュー
ありがとう
読もうと思った本を自宅に忘れ、時間があり、無料という事で読ませて頂きました
無料だと有り難みがどうも無くなってしまう自分の悪い癖ですが一気読みしてしまいました。
ストリッパーのお話から入るこの作品は少し古くさく感じ、でもその時代の人や職業の人がどのように生きると感じているのかドンドンと引き込まれ、トビがかかえる
傍観者、冷めた知的な雰囲気等は思春期に皆が一度は通ってる、そうだそうだと反芻しながら読みたいました、心の中に沁みた一冊でした。
著者のあとがきを読んで、なおさら深みが増し、現実から離れ、過去と照らし合わせ、また現実に戻してくれた本書に感謝します。