明治・大正・昭和 不良少女伝 ──莫連女と少女ギャング団
-
- ¥950
-
- ¥950
発行者による作品情報
明治から戦前昭和の転換期に、社会の規範を超え、自由に生きた少女たちがいた。彼女たちは、不道徳と破廉恥の代名詞として「莫連女」「バッド・ガール」と呼称された。良妻賢母型の女性モデルが賛美された時代に、早熟な彼女たちは、何に反抗し、何に憧れたのか? すれっからしの不良少女たちが帝都を跋扈する様子を生き生きと描き、近代少女の真実に迫った快列伝。
APPLE BOOKSのレビュー
教科書には載らない女性の歴史の調査をライフワークとする平山亜佐子。2009年に発表した渾身(こんしん)の事件録『明治・大正・昭和 不良少女伝 ──莫連女と少女ギャング団』が、加筆修正を経て2022年に再リリース。男性中心の武家社会から明治維新を経て急激に近代化する日本で、家や社会に反発する若い女性たちが社会を騒がせた様子を、当時の新聞や雑誌の記事を掘り起こして伝える。良妻賢母の像を押し付けられ、髪を切るにも父親の許可が必要だった窮屈な時代。莫連女(ばくれんおんな)、バッド・ガールなどと呼ばれた彼女たちをスキャンダラスに、そしてさげすみの視線で伝える記事を、平山が時代背景や風俗と併せて解説する。偏見たっぷりの記事へ放つ毒気あふれるツッコミが愉快かつ痛快。男装してでも自由を味わおうとたくらんだり、良家の美しいお嬢さまをリーダーに祭り上げてグループでつるんだりと、フェミニズムやルッキズムなど、現代に通じる問題も照射されている。一流企業が入居する有名なビルで、給料の低さ故に女性たちが“あること”を組織的に行っていた事実には驚くしかない。