昭和元禄落語心中(1)
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- ¥760
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発行者による作品情報
満期で出所の模範囚。だれが呼んだか名は与太郎(よたろう)。娑婆に放たれ向かった先は、人生うずまく町の寄席。昭和最後の大名人・八雲(やくも)がムショで演った「死神」が忘れられず、生きる道は噺家と心に決めておりました。弟子など取らぬ八雲師匠。惚れて泣きつく与太郎やいかに……!? 昭和元禄落語心中・与太郎放浪篇、いざ幕開け!!
APPLE BOOKSのレビュー
昭和の落語の世界を描いた雲田はるこのマンガ「昭和元禄落語心中(1)」。舞台は昭和50年代頃の日本。刑期を満了した元チンピラの与太郎は、刑務所で耳にした落語家・八代目有楽亭八雲の噺が忘れられず、出所したその足で八雲が出演している寄席に押し掛けて弟子入りを直談判する。内弟子を取ることを頑なに拒んでいた八雲だが、何かを感じたのか与太郎を付き人にすることに。与太郎は噺家としての人生を歩み始めることになる。本作は、文化庁メディア芸術祭マンガ部門賞などを受賞した話題作。雲田は人物の描写に定評のある作家としても知られており、この作品でもその才能を存分に発揮し、落語を志す与太郎の成長、そして彼を取り巻く人々の心模様の変化などをきめ細かく描いている。また、「昭和落語」という難しいテーマにもかかわらず、当時の落語界の内側を克明に表現している点でも作者の力量を実感できる。一度読めば、奥深い落語の世界観に引き込まれ、寄席に足を運びたくなるに違いない。
カスタマーレビュー
通勤時間の合い間
面白い
面白くて、切なくて。
第1,2巻無料につられて購入。と思ったら2日で10巻全て読了してしまった。
全体が長編の人情噺のような、芸事の難しさ、奥の深さを教えてくれるノンフィクションのような、
絡まり縺れた男女の情と業を描いた恋愛小説のような。登場人物が皆江戸っ子の"粋"を体現している。
落語ほどには笑わせず、心中ほどには暗くせず、昭和の落語の儚さと切なさ、平成の落語への希望が詰まった一篇。
名作だと思う
漫画で落語というだけでも興味がわくが、この師匠の生き方がしびれます。好きなのに愛することができなかった人、好きではないのに愛する人間達の心模様、金払って読む価値あり。