時を壊した彼女 7月7日は7度ある
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4.0 • 2件の評価
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- ¥2,800
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発行者による作品情報
何度、何度、何度くり返しても彼の死だけが変わらない星夜の学校を襲った悲劇と、くり返す夏の日。命がけの青春を、私達は生きている。運命と戦う高校生達のタイムリープ×本格ミステリ☆☆☆7月7日。部活仲間5人のささやかな七夕祭りを、謎の爆発が襲った。その爆発は、部長を激しく吹き飛ばし殺害してしまう。原因は、未来からきた少女2人。彼女らはタイムマシンをハイジャックした挙げ句、爆発させてしまったのだ。部長の理不尽な死をなかったことにすべく、彼らは協力して過去を書き換えようとする。だが、時を繰り返すたび、なぜか犠牲者は増えていってしまい──遡れるのは計7回、無限に思える選択肢。繰り返す青春の1日は、命がけだ。
APPLE BOOKSのレビュー
警察官僚から警察大学校主任教授に登り詰め、退官後の2007年に作家デビューした異色のミステリー作家、古野まほろ。現場の経験を活かした警察小説やノンフィクションを発表する一方で、パラレルワールドを舞台にした青春ミステリーも手掛け、若い世代に熱烈なファンを持つ。「時を壊した彼女 7月7日は7度ある」は、近未来SF、青春、タイムループ、推理など、様々なエッセンスが濃密に詰め込まれた読み応えのある大作。時を遡るためにタイムマシンを乗っ取った未来の女子高生ユリとハルカが、現代の7月7日の夜に東京の高校に不時着する。屋上で七夕を祝っていた吹奏楽部の中心的メンバー5人のうち、衝撃で部長の真太が死亡。彼の死をなかったことにするために、副部長の光夏たちは過去を書き換えるチャンスに挑む。膨大な情報量に一瞬ひるむが、彼らが出会った必然と動機が明かされるとき、さわやかな感動が訪れる。光夏の切ないモノローグに胸がキュンとなる青春ミステリー。