月次情報で“伸びる前”に買う割安成長株投資入門
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「持続的に成長し続ける企業」を探して、
「割安な時期」に買い、長く保有する方法
月次から始める割安成長株投資
株式投資では「決算書」や「四季報」が必要になる、と考えている人が多いと思います。
確かに、それは間違いではありませんが、絶対というわけではありません。例えば、皆さんは「月次情報」というものをご存知でしょうか?
月次情報(以下、月次)とは、ひと言で言うと、企業が毎月開示する「決算情報」のことです。月次の開示は、小売・飲食・サービス業など、私たち消費者にとって身近な企業に多いです(※すべての企業が月次情報を開示しているわけではありません)。
この月次(情報)、開示している企業は限られていますが、毎月発表されるだけに、読み方を知っておくと、ほかの投資家に先んじてチャンスをつかむことも可能です。
1)月次情報で小さな兆候を捉える=割安なときに投資できる
月次を見るメリットとして、“小さな兆候”に気づきやすいという点が挙げられます。なぜなら、毎月、企業の成長の様子を知ることができるからです。
例えば、月次(※前年同月比)が100%から110%、120%、130%という具合に連続で良い数字を残していて、かつ、それに連動して株価も上がっているようならば、絶好の狙い目となります(詳細は本文にて)。
この小さな動きは、四半期決算ではなかなか気づけません。場合によっては、「気づいたときにはもう、すでに割高になっていて手が出せない」ということもあるでしょう。その点、月次に注目していれば、“(大きく)伸びる前”、つまり割安なときに買うことが可能なのです。
絶好のタイミングで銘柄を買うことができれば、その後の対応も楽になります。この“絶好”を探るうえで、私たち投資家の武器になるのが「月次」なのです。
2)月次情報で10倍株
実際、月次情報を公開しながら株価10倍を達成したスター株はいくつもあります。ファーストリテイリングやワークマン、トリドールHD、モノタロウ、スノーピークなど、皆さんにとってもなじみのある企業が大きく躍進しています。そして、これらのスター株が大きく伸びるチャンスは「月次」にあったのです。 本書では、スター株の成功事例を見ながら、似たような場面が来たときにチャンスを逃さないやり方を学びます。
3)持続的な成長が期待できる企業に投資する
月次は武器にはなりますが、それだけで渡り歩くことができるほど、相場の世界は甘くありません。
月次はあくまでも入口です。仮に割安なときに買えたとしても、その後、買った企業が成長しなければ、投資をした意味がなくなってしまいます。つまり、月次で注目した企業が今後、「持続的な成長を成し遂げることができそうか」を読み解くことも、私たち投資家には求められるのです。
どの企業が成長するのかは「神のみぞ知る」で100%の予想はできませんが、成長の意志を持った企業の目星を付けることはできます。そのためには、具体的には、大きく、以下の2つが必要になります。
①定量分析
月次や決算書(決算短信、決算説明資料)、中期経営計画を読み解く。
②定性分析
経営学やマーケティング理論でビジネスモデルを精査。ドラッカーのイノベーション理論やランチェスターの法則などを使う。
「割安なときに買う」ことももちろん大事ですが、それ以上に、「企業に成長の意志があるかどうか」は、私たち投資家にとっては、確認しておくべき大切なことだと言えます。 どういう企業に投資すべきか。そのことについても学びます
4)投資をする時間がなかった人でも取り組める
「月次の数字が好調で、株価も上がっている企業を買い、月次の数字が悪くなり、株価も下がってきたら決済する」という、月次を利用した短期的なトレードも可能ですが、本書では、企業の成長とじっくり付き合っていく長期目線の投資を紹介しています。会社員など、日ごろ、投資に取り組みにくい人にでも実戦していただけると思います。
持続的な成長が期待できる企業を、割安なときに買うことができれば、少しばかりの値動きに右往左往することもなく、じっくり投資と向き合うこともできるでしょう。「月情報から始める割安成長株投資」の有効性を試してみてください。
5)二刀流の成功を
本書では、投資で勉強して手に入れた 知識や成果をビジネスでも活かせるようにしています。本書に書かれている「月次情報」や「決算書」「マーケティング手法」などは、 投資家はもちろん、ビジネスパーソンや就活生、起業家にも役立つ応用の効く知識です。
トレンドや業績の変化を捉えること。
決算の数字を読めるようになること。
ビジネスモデルの本質を追求すること。
ひとつ学べば2倍分、役に立つ知識があります。
投資とビジネス。二刀流で成功を目指してみませんか?
◆本書の概要
第1章:月次ゲーム
この章では月次ゲームというものにチャレンジしていただきます。
月次(情報)とは、ひと言で言うと、企業が毎月開示する決算情報のことです。月次の開示は、小売・飲食・サービス業など、私たち消費者にとって身近な企業に多いです(※すべての企業が月次情報を開示しているわけではありません)。
この月次を、何の知識も持たずに、株価とともに数字を追いかけながら「どこで仕掛けて、どこで決済するか」を体験していただきます。
月次についての知識が特になくても、ゲームのルール(後述)通りに上手に立ち回るだけで結果がついてくるという、月次の威力を体験してください。
第2章:成功事例の事前学習
この章では、月次情報を公開しながら株価10倍を達成したスター株をピックアップして、成功モデルを事例学習します。
学ぶの語源は“真似ぶ”にあるというように(※諸説あります)、成功企業の事例(月次や決算がどのように変化して、株価がどのように上昇したかなど)を学ぶことで、似たような場面に遭遇したときに真似することができるようにしてください。
第3章:月次情報投資の教科書
この章では、月次(情報)について、具体的な知識を学びます。
◎月次は、どこを調べればわかるのか?
◎月次は、いつ、発表されるのか?
◎月次には、どのような情報が載っているのか?
◎月次だけを見ていればよいのか?
◎月次に注目するメリットは何か?など
月次についての基礎的な情報はもちろん、実戦的なものまで紹介しています。
第4章:銘柄選び
この章では、「どうやって投資対象企業を探していくのか」という具体的な話を解説しています。
著者が開設・運営している「月次Web」を中心に、次のような情報を紹介しています。
◎どの業界が強いのか
◎(強い業界の中での)同業他社比較について
◎各業界の基本情報やコロナ禍以降の見通し、注目銘柄について
(2022年6月現在)
◎個別銘柄の株価や月次の推移のチェック(株価が適正水準と比べて 割安か割高かや理論株価の確認)を通して、未来の企業価値も考え ることの重要性について
第5章:定性分析(持続的な成長を遂げる企業を探す)
月次を利用した投資のひとつとして、徹底した資金管理を前提に、「月次の業績が好調で、かつ、株価も上がっている企業を、(上方修正狙い等で)短期トレードする」という方法もあります。
ただ、短期トレードは、専業以外の方が取り組むには敷居が高いでしょう。
その点、本書で展開している「月次の業績分析をスタートとして、持続的な成長を遂げる企業を割安なときに仕込む」という長い目で見ていく方法(長期投資)なら、投資する時間を確保しにくい人(例:サラリーマンなど)でも取り組めます。
この長期投資に必要なのが、以下のようなマーケティングやイノベーション理論を取り入れ、定性分析に応用する考えです。
◎ドラッカーのイノベーション理論
◎アンゾフの成長マトリックス
◎ランチェスターの法則
◎ブルーオーシャン戦略
◎キャズム理論
マーケティングやイノベーション理論は、一見、遠回りのように見えるかもしれませんが、「企業が成長の意志を持って戦略的、かつ、合理的な行動をしているのか」を探るうえでは欠かせません。
長期投資においては、月次(情報)は、あくまでも“きっかけ”です。月次で発見した企業が、そのあとに大きく伸びそうかどうかは、投資家自身が分析しないといけません。そのためのヒントとなる情報を紹介しています。
第6章:定量分析(企業の通信簿を見る)
この章では、第5章とは対照的な「定量分析」について学びます。
定量分析で必要になる資料が「決算書」です。以下のように、その読み方をポイントを絞って紹介しています。
◎決算書1ページ目の読み方
◎損益計算書(PL)の読み方
◎バランスシート(BS)の読み方
◎キャッシュフロー計算書(CF)の読み方
◎ROAやROEについての知識
◎理論株価と企業価値
◎中期経営計画と将来の企業価値
第7章:Excel分析(自分自身で取り組む)
この章では、第6章の定量分析について、自分自身で実践するための話を紹介しています。
今回、企業を分析するためのシート(月次予想シート)と同業他社を比較するためシート(同業他社比較シート)を用意しました(445ページのQRコードからダウンロードできます)。実際に、自分で数字を入力することで、本書で紹介しているような分析をすることができます。