【朗読音声付】恋愛論
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発行者による作品情報
●プロのナレーターによる朗読音声付書籍
恋愛というものは常に一時の幻影で、必ず亡び、さめるものだ、ということを知っている大人の心は不幸なものだ。
恋愛は幻であり、永遠の恋などは嘘の骨頂だとわかっていても、「それをするな」といい得ない性質のものである。それをしなければ人生自体がなくなるようなものなのだから。つまりは、人間は死ぬ、どうせ死ぬものなら早く死んでしまえ、ということが成り立たないのと同じだ。しかし何度、恋をしたところで、そのつまらなさが分かるほかに人は偉くなるということもなさそうだ。むしろその愚劣さによって常に裏切られるばかりであろう。そのくせ、恋なしに人生は成りたたぬ。 ああ、孤独。
孤独は、人のふるさとだ。恋愛は、人生の花であります。いかに退屈であろうとも、この外に花はない。
いつの時代も男と女の関係は変わらないものなのかもしれません。