木挽町のあだ討ち
-
- ¥1,900
発行者による作品情報
ある雪の降る夜に芝居小屋のすぐそばで、美しい若衆・菊之助による仇討ちがみごとに成し遂げられた。父親を殺めた下男を斬り、その血まみれの首を高くかかげた快挙は多くの人々から賞賛された。二年の後、菊之助の縁者という侍が仇討ちの顛末を知りたいと、芝居小屋を訪れるが――。現代人の心を揺さぶり勇気づける令和の革命的傑作誕生!
ご購入いただいた方全員に、声優・関智一さんによる冒頭部分の朗読、20分のフルバージョンをスペシャルプレゼント! 巻末に掲載された二次元バーコードあるいはURLからお聴きいただけます。※購入者特典は事前の予告なく掲載が終了する場合があります。
APPLE BOOKSのレビュー
第169回(2023年上半期)直木賞受賞作 - 江戸時代後期、文化/文政時代を舞台に、一人の若衆が遂げたあだ討ちの隠された真相を、5人の目撃者の人生と共に描いた時代ミステリー。ある雪の夜、木挽町の芝居小屋、森田座の裏手であだ討ちがあった。父を殺して逃げ、博徒となった下男の作兵衛を、元服前の美しい若衆、菊之助が見事に討ち取ったのだ。血まみれの首を掲げたその姿は街の語り種となるが、それから2年後、菊之助の縁者を名乗る侍が木挽町を訪れる。呼び込みの木戸芸者、殺陣をつける立師、女形の衣装係、小道具職人の妻、芝居の台本を書く筋書。あだ討ちの現場に居合わせた芝居小屋の裏方たちの話を聞いてまわる男は何者なのか。そして、あだ討ちの裏で本当に起きていたこととは、一幕一人の語りで構成され、各幕ごとに語り手、語り口が変わる趣向が素晴らしい。当時、悪所と呼ばれた芝居小屋で裏方を務めた者たちの多彩な語り、それぞれの過去。彼らには一人一人に異なる背景があり、本来の居場所から流れ着いた芝居の世界に救われ、窮屈な社会を生き抜いている。芝居という作り物が、差別や虚無や理不尽や涙を覆す。現代にも通じる上意下達の社会の理屈を打ち破る、芝居の魅力を鮮やかに描いた快作。
カスタマーレビュー
武士の苦悩
いろんな人の語りで進む物語。
最後のどんでん返しはよかった!
スーッとした!