東方見聞録
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Publisher Description
マルコ・ポーロ(1254~1324)はヴェネチア商人の息子。長年中国にあって商人として活躍していた父と叔父が元朝のフビライ・ハーンの使命をおびて帰国したさい、その帰途にあたって一緒に中国にむかうことになった。彼らは天山南路をたどって元の上都(ハーンの夏の宮殿がある)にたどりつき、マルコはフビライに仕えた。その後、90年に泉州を出帆してインド南部を航行、95年にようやくヴェネチアに帰国した。しかし、26年も留守にしたあとの帰国だったので、親戚の者たちも顔がわからず、彼らの持ち帰った財宝を見るまでは、ヴェネチアの人たちは彼らの話を信じなかったという。たまたまその時期はヴェネチアがジェノアと争っていたため、軍艦に乗っていたマルコはジェノアの捕虜となって、その後の講和で釈放されるまでの約1年間ジェノアの獄にあった。その獄中で知り合ったのがピサ出身のルスティケロという物語作者で、「東方見聞録」はこのルスティケロの手によって初めてまとめられた。マルコはフビライの使者として、または商売で長期間、中国各地を旅行したので、モンゴルの歴史や風習、中国や中央アジアに関して、きわめて幅広い知識をヨーロッパに初めてもたらすことになり、そのアジア観に深い影響をあたえた。