果しなき流れの果に
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3.9 • 46 Ratings
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- ¥880
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Publisher Description
巨大な剣竜や爬虫類がいた六千万年も前の中生代の岩層から、奇妙な砂時計が発見された。その砂は、いくら落ちても減らず、上から下へ間断なく砂がこぼれおちて、四次元の不思議な世界を作り出していた。常識では考えられない超科学的現象……! さらに不可解な事件が起きた。この出土品の発見場所の古墳へ出向いていた関係者が、次々と行方不明となり、変死を遂げてしまったのだ――。強大な内なる闇に対抗するための、遥かな時間と空間を超えた壮大な戦いを、迫力に満ちたイマジネーションで描く日本を代表するSF長編作。偶然発見された、貴重な創作メモを収録。作家の思考の流れを詳細に辿り、創作の原点を明らかにするエキサイティングな特典解説つき!
Customer Reviews
素晴らしいというか凄い
この時代に日本人がこのように大きなSFを書いていたとは知らなかったです。
果てしなき流れの果ての物語
50年前、中学1年生の夏休みに『21世紀の文学 世界SF全集』を購入しました。最初に読んだのは、エスパイや宇宙人ピピや宇宙都市008の作者小松左京でした。「継ぐのは誰か/果てしなき流れの果てに」の二本立ての上製本で定価880円。大卒初任給4万円以下の時代。時の流れを感じ得ません。
「果てしなき流れの果てに」中学1年生にとってなんと興味を惹きつけるタイトルでしょうか。
電話のベルに悩まされながら死んでいくティラノザウルスの話をプロローグに、あちらこちらにオーパーツなどのSF的事象を配置した壮大な時間と空間のSFをミステリ風に読者を引っ張っていく。しかも、野々村と佐世子の切ない物語を絡めているところは文学であると言える。センス オブ ワンダーの“語り部„である小松左京は最高である。
小松左京は、精神的に多感な中学生から30歳前後の時期に読むべき必読書である。(私は退職後に再び青少年期の感情を呼び覚ますために再読している)
それにしてもiPadは、重さや厚さを感じさせず、汚れや退色等経年劣化もなく大変便利である。特に老眼には綺麗に文字が読めることが読書のきっかけとなる。
これからの“本„は上製本として装丁を含めた芸術的工芸的な製本の方向で進めるべきである。ペーパーバックや文庫本、新書等はiPadのbookに置き換えられるだろう。
そして、できることなら少年期や青年期に身近に触れやすくするためにも『21世紀の文学 世界SF全集』全35巻別巻1巻を復刻版として日本中の学校の図書館、公立の図書館に入れて欲しいものだ。(同じくポケット判のSFシリーズも復刻版をお願いしたい)
お勧めです
小松左京氏の長編を読むのは初めてです.実は私,50歳なんですが,これはもっと早く読んでおけばよかったと思います.でも50歳だから分かるところもあったんだと思います.若い皆さんのみならず,お年を召した方でも,世界と宇宙と自分のことを考えたことのある皆さんに読んでもらいたいと思います.最後は涙が出ました.