柔の恩人~「女子柔道の母」ラスティ・カノコギが夢見た世界~
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- ¥1,600
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発行者による作品情報
オリンピック女子柔道躍進を支えた感動秘話。
女子柔道のオリンピック種目化のために闘ったユダヤ系アメリカ人女性柔道家、ラスティ・カノコギの生涯を描く感動のノンフィクション。彼女がいなければ、女子柔道は20年遅れていたかもしれない……。
「釘になるな、ハンマーになれ」それが、彼女の口癖だった。
幼少期は、差別と貧困のどん底にいた。少女時代は、街でけんかに明け暮れた。全てを擲った最初の結婚も失敗……。そんな彼女を救ってくれたのは、「JUDO」という名のスポーツだった。やがて彼女は、柔道のために、自分の全人生と全財産を懸けた壮絶な闘いに挑んでいく――。
「(日本で)柔道を学ぶうちに、“内に秘めた強さ”というものがあることを知った。……他人に対して何かができることこそ、本当の強さだと知った」(ラスティの言葉より)
「強さ」とは、「力」だけではない。「強い」だけが貴いわけじゃない――。柔道のために孤軍奮闘し続けた、不屈のアメリカ人女性柔道家の知られざる人生の記録。
APPLE BOOKSのレビュー
女子柔道をオリンピック正式種目に導き、"女子柔道の母"と呼ばれたユダヤ系アメリカ人女性、ラスティ・カノコギ。今作は、生前に託された手記と長時間インタビューを基に彼女の生涯を追った評伝。差別と貧困の中、けんかに明け暮れた不良少女の信条は「釘になるな、ハンマーになれ」。20歳で草創期の米国柔道と出会い、その魅力にとりつかれて日本の講道館を訪ね、やがて競技者から指導者への道を歩んでも、不屈の闘志は変わらない。男性中心のスポーツ界に異議を唱え、初の世界女子柔道選手権の開催に奔走し、女性差別を掲げた法的措置や署名活動でIOC(国際オリンピック委員会)と闘い、ついに1988年のソウルオリンピックで公開競技として女子柔道が実施され、オリンピック種目入りを果たすまでの経緯は感動必至。女子柔道のみならず、映画『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』でも知られるテニスの元女王、ビリー・ジーン・キングと共闘し、スポーツ界の女性差別解消を訴えたラスティ。晩年の病魔との闘いに至るまで、常にファイターだった彼女の生き方が胸に迫る一冊。