柔道部物語(10)
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- ¥760
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発行者による作品情報
俺は岬商柔道部主将の三五十五(さんご・じゅうご)。満を持して臨んだ春の高校柔道選手権で、耕談館浦安の西野に完敗を喫し、技も力も精神力も、すべてにおいて、俺は西野との差を思い知らされた。3年になって新入部員勧誘の季節になっても、敗戦のショックから立ち直れない。俺は今、柔道をやめることを考えている……。読み出したら止まらない!! 珠玉の本格柔道コメディ、第10巻!!
カスタマーレビュー
まっくろせきたん
、
ラストに向けて
集大成となる西野戦に向けての主人公・三五十五の挫折から復活、かつてのライバルたちとの特訓と濃密な巻。でもあくまで普通の高校生男子には変わりなく、挫折からの復活はとにかく思春期男子そのものだし、特訓もあくまで「道場交流」の一つ。それに、強大なライバル・西野に向けての対策は必殺技ではなく猛練習とどこまでいっても部活動を逸脱しない。
挫折復活のキーマン?はやはり原田ひろみだが、このやりとりはさすが青年誌。そして、成長した三五がまだ高校生男子だというのを思い出させてくれる。
この柔道部物語の2人目の主人公とも言われる後輩の田丸も、三五に対して憧れるイチ柔道少年だったのが頼りになる後輩として成長する。数巻前に入った彼らが「岬商業柔道部最強チームを作る」とあったが、三五のチームではなく田丸のチームである事の伏線回収でもある飛崎弟とのライバル関係の築きも「その後」を匂わせてよい感じ。
また、ワルの西野との対の存在の良い子の千代崎率いる講談館とはいつの間にかチーム同士で交流がある描かれ方をしている。個人競技ならではの個々で面識が出来る柔道の良さですね。
ちなみに成長物語に路線変更されたのは野村選手や井上康生選手の声もあっての様で、ちらほら出てくるOU大の鬼の遠藤は故・斎藤仁氏が「柔道部物語に出たい」とラブコールし、出演した姿だそう。