核燃料サイクルという迷宮――核ナショナリズムがもたらしたもの 核燃料サイクルという迷宮――核ナショナリズムがもたらしたもの

核燃料サイクルという迷宮――核ナショナリズムがもたらしたも‪の‬

    • ¥2,800
    • ¥2,800

Publisher Description

日本のエネルギー政策の恥部とも言うべき核燃料サイクル事業は、行き場のない放射性廃棄物(核のゴミ)を無用に増やしながら、まったく「サイクル」できないまま、十数兆円以上を注いで存続されてきた。本書は核燃料サイクルの来歴を覗き穴として、エネルギーと軍事にまたがる日本の「核」問題の来し方行く末を見つめ直す。日本では、戦前から続く「資源小国が技術によって一等国に列す」という思想や、戦間~戦中期に構造化された電力の国家管理、冷戦期の「潜在的核武装」論など複数の水脈が、原子力エネルギー開発へと流れ込んだ。なかでも核燃料サイクルは、「核ナショナリズム」(疑似軍事力としての核技術の維持があってこそ、日本は一流国として立つことができるという思想)の申し子と言える。「安全保障に資する」という名分は、最近では原子力発電をとりまく客観的情勢が悪化するなかでの拠り所として公言されている。著者はあらゆる側面から,この国の「核エネルギー」政策の誤謬を炙り出している。地震国日本にとって最大のリスク・重荷である原発と決別するための歴史認識の土台、そして、軍事・民生を問わず広く「反核」の意識を統合する論拠が見えてくる労作。

GENRE
Nonfiction
RELEASED
2024
May 20
LANGUAGE
JA
Japanese
LENGTH
320
Pages
PUBLISHER
みすず書房
SELLER
Digital Publishing Initiatives Japan Co., Ltd.
SIZE
9.2
MB
熱学思想の史的展開1 ──熱とエントロピー 熱学思想の史的展開1 ──熱とエントロピー
2008
近代日本一五〇年-科学技術総力戦体制の破綻 近代日本一五〇年-科学技術総力戦体制の破綻
2018
福島の原発事故をめぐって――いくつか学び考えたこと 福島の原発事故をめぐって――いくつか学び考えたこと
2011
重力と力学的世界 上 ――古典としての古典力学 重力と力学的世界 上 ――古典としての古典力学
2021
熱学思想の史的展開3 ──熱とエントロピー 熱学思想の史的展開3 ──熱とエントロピー
2009
熱学思想の史的展開2 ──熱とエントロピー 熱学思想の史的展開2 ──熱とエントロピー
2009