格差は心を壊す 比較という呪縛
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発行者による作品情報
イギリス格差研究の第一人者による渾身のレポート!
私たちを追い詰める“他人の目”という呪縛。
激しい格差は、人類の競争本能を暴走させる。
下流も上流も息苦しい社会の変革に必要なこと。
【本書の主な主張】
・米国人の80%以上が臆病に悩んでいる。
・友情の価値は年間約1200万円
・100万人の英国の生徒が病んでいる
・不平等の拡大でうつ病も広がる
・ゼロサムゲームとしての美容整形
・格差でサイコパス的経営者が評価される
・不相応な出費を促す極限の資本主義
・不平等な社会ほど子どものいじめが激しい
・能力の差が階層を決めるという誤った思い込み
・格差は社会全体の学力を低下させる
・超富裕層はなぜ高価な絵画を求めるのか
・平等な社会は生活の質を別次元の高さへと導く
・労働組合が弱体化すると格差が広がる
・株式会社という制度はこれからも通用するか ほか
APPLE BOOKSのレビュー
世界の多くの言語で翻訳されている『平等社会』に続く、格差研究のスペシャリストによる共著。経済学者と疫学者がタッグを組み、社会学や経済学から心理学、医学、環境学まで、格差によって生じる諸問題をあらゆる見地から分析する。我々が格差というものに抱くイメージや誤解を払拭し、より良い社会秩序をもたらすための警鐘を鳴らしている。人は常に自分よりも上か下かで判断しがちだが、そういった意識が、階層を生むばかりか人の本質をもねじ曲げていく。通常なら、貧困層に、犯罪や病気、教育、精神の悪化といった社会問題が顕著に現れるとされているが、上流階層であっても同じ問題に直面することは少なくない。格差社会は、上流にも下流にもストレスを与え、全ての人々を息苦しくさせる元凶なのだ。本書では、日本は格差の少ない国とされているが、格差が生み出す優越感や劣等感、支配欲、ねたみや嫉(そね)みといった感情は、どのような国の人々にも共通した問題といえるだろう。