桃太郎はなぜ「桃」から生まれるのか
昔話 神話 陰陽師の伝承を探る
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天皇も武将も、なぜ「陰陽師」に頼ったのか?神話と現代をつなぐ、鬼・神々・そして呪術の日本文化論。
日本人の深層に眠る「呪術」は、日本の神話、仏教や陰陽道、民俗信仰と複雑に絡み合い、時代とともに変容していった。安倍晴明の実像から始まり、多様な「陰陽師」たちの活動、そして「いざなぎ流」や「野狐加持秘法」といった具体的な呪術・祈祷のあり方までが、豊富な資料と研究成果に基づき、立体的に描かれている。
【目次】
昔話深層篇1桃太郎はなぜ「桃」から生まれるのか2一寸法師は、なぜ「法師」なのか3浦島太郎のルーツを求めて4山幸彦・海幸彦──浦島伝説とのつながりはあるのか古代神篇1アメノミナカヌシ──伊勢神宮と結びつく、天地創成の根源神2アマテラスの深層3「神明社」の謎──京の都に棲まうアマテラス4伊勢神宮成立の深層と渡会氏・宇治土公氏たち5国引きするスサノヲ──中世の出雲神話の世界へ6クエビコ・タニグク・ヒルコ異貌神篇1失われたカミたちを求めて2摩多羅神──天台寺院に伝わる、芸能と修行道場を守護する謎の神3牛頭天王──スサノヲ、御霊信仰、陰陽道と習合した、最強の防疫神4泰山府君──死者をも「蘇生」させる、陰陽道の最高神5狐──伏見稲荷の深層歌舞伎·神楽篇1『日本振袖始』が描くスサノヲ神話とは2ヤマトタケル·古事記·本居宣長3鬼が主人公となる「神楽」とは4荒神信仰と神楽の世界から陰陽師·呪術篇1呪術と祈禱の深層へ2陰陽道と陰陽師の実像3陰陽師、星を観る4鬼と陰陽師──「追儺」の現場から5いざなぎ流の呪術6野狐加持の秘法とは
【著者】
斎藤英喜
1955年生まれ。日本大学大学院文学研究科博士課程満期退学。佛教大学文学部・史学部教授を歴任。2024年没。著書に、『いざなぎ流祭文と儀礼』法蔵館、『古事記成長する神々ー新しい「日本神話」の読み方』ビイング・ネット・プレス、『古事記はいかに読まれてきたかー神話の変貌』吉川弘文館(古代歴史文化賞・みえ賞受賞)、『陰陽師たちの日本史』角川選書、『折口信夫ー神性を拡張する復活の喜び』ミネルヴァ書房、『神道・天皇・大嘗祭』人文書院ほか多数。