桃太郎
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4.0 • 843件の評価
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発行者による作品情報
日本昔話のひとつである『桃太郎』は、鬼退治がテーマの勧善懲悪の物語として広く知られている。そんな昔話の世界を芥川は新たな視点で捉え直し、鬼の世界への侵略者、略奪者としての「桃太郎」が描かれる。ちなみに、福沢諭吉も「桃太郎は盗人」と評している。その背景には日本帝国主義のアジア侵略があり、その政治性、時代性から初期プロレタリア小説と位置づける見方がある。いわば、『桃太郎』のパロディといった趣の作品ではあるが、そこで提示れるテーマは極めて重い。初出は、1924(大正13)年の『サンデー毎日』夏期特別号で、奇しくもその前年には関東大震災が起きた。関東大震災直後の朝鮮人や中国人、社会主義者の大弾圧への風刺の意味も込められているとも言われる。
APPLE BOOKSのレビュー
『羅生門』『鼻』など、古典を題材にした作品も多い著者が、日本人なら誰もが知る人気おとぎ話を新解釈した寓話(ぐうわ)。まず驚かされるのが、桃太郎の入っていた桃がどこから来たのかという視点。あまりにも唐突に川上から流れてくる桃。おばあさんのみならず読者も違和感なく受け止めてきた謎に鋭く切り込む。そして始まる鬼退治は、平和に暮らしていた鬼を被害者、桃太郎と打算的な3匹の従者を侵略者として描いていく。鬼がどんな悪いことをしたのか語られないまま進む桃太郎の鬼退治は、確かに侵略された側から見れば理不尽極まりない。当時でも尾崎紅葉から菊池寛まで、名だたる文豪が新たな桃太郎に挑んでいるが、中国の革命思想家である章炳麟の桃太郎観から着想を得たという物語はシニカルで洒脱(しゃだつ)。反軍的だった著者が危惧した、日本の軍国化と大陸への植民地政策を鋭く風刺している。現代でこそ、桃太郎を悪者とする設定も珍しくはなくなったが、当時としてはかなり斬新で、桃太郎一味のその後も描かれており、さらに考察が深まる。
カスタマーレビュー
入力のj.utiyama様感謝。
注釈が()ではなくタブ形式にしておりとても見やすい。
内容はアダムとイブ。桃太郎版。
悪というのは悪を撒き散らす。悪が何かは人それぞれだと思うけど。自分の中で悪だと思うことはしない近づかないと自戒
桃太郎
鬼かわいそう😢
今となってはありがち
面白かった