桃太‪郎‬

    • 4.0 • 679件の評価

発行者による作品情報

日本昔話のひとつである『桃太郎』は、鬼退治がテーマの勧善懲悪の物語として広く知られている。そんな昔話の世界を芥川は新たな視点で捉え直し、鬼の世界への侵略者、略奪者としての「桃太郎」が描かれる。ちなみに、福沢諭吉も「桃太郎は盗人」と評している。その背景には日本帝国主義のアジア侵略があり、その政治性、時代性から初期プロレタリア小説と位置づける見方がある。いわば、『桃太郎』のパロディといった趣の作品ではあるが、そこで提示れるテーマは極めて重い。初出は、1924(大正13)年の『サンデー毎日』夏期特別号で、奇しくもその前年には関東大震災が起きた。関東大震災直後の朝鮮人や中国人、社会主義者の大弾圧への風刺の意味も込められているとも言われる。

ジャンル
小説/文学
発売日
1928年
7月2日
言語
JA
日本語
ページ数
10
ページ
発行者
Public Domain
販売元
Public Domain
サイズ
330.6
KB

カスタマーレビュー

そると💍

その時代を風刺した作品

ももたろうは当時の日本と捉えることができる。

'U'MA

ブラックジョークを超えた痛烈な人類風刺

ただの「桃太郎」へのブラックな風刺ではない。
最後に来て人類史全体に及ぶような批判精神が浮かび上がってくるのだ。
大方の読者の予想を遥かに超えてくるところは、さすが芥川という所。

強者とはまさに戦争のために戦争をするという理不尽さを抱えている。
心優しい弱者はその傲慢さに飲み込まれて憎悪のかたまりと化し、世の中はどんどん荒廃してゆく。

芥川の桃太郎は、こういう現世の地獄をシンプルかつ明快に表している。
最後に鬼が見せた卑劣さは、現代のアメリカに対するテロにも重なる。それは強者の傲慢さが種となって生まれた醜悪さなのだ。

ほとんど笑えずひたすら暗い昔話だが、この世をリアルに知る上でこれほど良い教科書はない。

文科省は、こういう芥川作品こそ教科書にのせるべきであり、先生は大いにクラス討論させるべきなのだ。

タナスミ

現実と重なる

 芥川龍之介は、現代社会の抱えている歪を予見していたのだろう。新しい実がまた落とされた今。

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