正‪欲‬

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    • ¥1,900
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発行者による作品情報

あってはならない感情なんて、この世にない。それはつまり、いてはいけない人間なんて、この世にいないということだ――共感を呼ぶ傑作か? 目を背けたくなる問題作か? 絶望から始まる痛快。あなたの想像力の外側を行く、作家生活10周年記念、気迫の書下ろし長篇小説。

ジャンル
小説/文学
発売日
2021年
3月26日
言語
JA
日本語
ページ数
366
ページ
発行者
新潮社
販売元
Shinchosha Publishing Co., Ltd.
サイズ
1.3
MB

カスタマーレビュー

kimisan4649

結局正しいことなんて何もない。

 登場人物全員が、正しいけれど間違っている。誰かにとっての正義が誰もにとってそうであるとは限らない。
そんなこと知ってたつもりだけど、それぞれの視点から描かれる物事がリアルで改めて考えさせられた。
 
シンプルに正しいと言えるのは人を傷つけてはいけないということなのかな。

性的視線を向けられる対象者がそれを認識していなくても、周りの人間が知った時に傷つくことをしてはいけない。
じゃあ無機物フェチにはその可能性はあるのか?
結局人間は自分の尺度でしかものを見れない癖に、自分にとって正しいかを勝手に判断したがる。
私自身はその檻からは逃れられない程度の人間なのだから、自己と他者を同一視して独りよがりな正しさを押し付けることのないよう用心せねばならない。

なかやわたかなわ

複雑な感情です

読了後、複雑な感情になった。が
1番正直な感想だ。
私は小学生の時から、
みんな違ってみんないい
と言う言葉を良く聞かせされてきた。

言葉というのは難しい
何かを判断した上で区別した上で
自分の立ち位置を見極め感情や状況を伝える。その為にはやはり、みんな自分がどこにいるのかを把握する必要がある。
例えそれが必要最低限の区別だとしても
文中にもあるように
不安という感情が多数派であり続ける為に共感者を求め安心する
という行為のために知らず知らず少数派を傷つけてしまったり、生きにくい世の中にしてしまっている。

私はこの本を読んで思ったのは、
全員違うということ。そして全員にどこかしら疑問点と共感があったこと。
それでいて私ももしこの物語に存在できたのなら誰とも似て非なる存在だったと思う。

この本を読んで複雑な感情のほかに単純に
今まで知らなかった世界があった
性欲がそこまで細かく分類されてることも知った。
これを聞いて正直明日から、多様性とか、共感とかしないようにしようなんては思わない。
誰かが声に出してそれが多数派になったことで、亡くなった命の上に、今の多様性が成り立っている。
私はそれを頭ごなしに潰す描写に少し傷ついた。それもあって複雑なのかもしれない。

お互い干渉しない中で、同士のみが手を繋ぎ生きていく世界が1番平和なのかもしれない。でも私は、人間多数派と少数派に分かれてそこに優位性や権力が存在する限り無理な話だと思う。

ただ、誰かが誰かに否定されても声をあげることは、意見を主張したり、土足で踏み込むことは、何かを変えるきっかけになる。
八重子は正直イラついたが彼女はそうだったと思う。

とにかく何が言いたいのか
何をレビューしたらいいかわからない
それが今の私の感想
でもこれは確実に読むべきものだし
読んだ後に考えるべきだと思う

面白いか面白くないかではなく
考える機会をもらえたこの本にとても感謝したいし、勧めてくれた人にも感謝したい

私は面白かった。

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