武江年表 巻之十二 素本
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Publisher Description
「武江年表 巻之十二 素本」
武江年表(ぶこうねんぴょう)は、斎藤月岑(さいとうげっしん)(1804(文化元)年〜1878(明治11)年)が著した江戸時代の日誌です。
正編8巻、続編4巻の計12巻あり、
徳川家康が江戸城に入った1590(天正18)年から、維新後の1873(明治6)年まで、出来事が日付順に書かれます。
「半七捕物帳」の作者、岡本綺堂も参考にしたといいます。
武江年表12巻は、1868(慶応4/明治元)年から1873(明治6)年までの最終巻。
将軍が退き、東京となって、町中はどう変わったのか、
歴史の授業で習ったワードが次々登場し、変革のスピードを感じます。
一方、天気や火事、イベントの話題が淡々と積み重ねられ、
単なる歴史年表と違う、渦中の著者のフラットな視点がとても愛しい。
武江年表自体、江戸時代がメインの年表で、明治以降は付けたりのようにも見られますが、
月岑65歳からの仕事にも関わらず、まだまだ書き続けたい気持ちに溢れています。
ただ、明治6年は新暦に改まった年でもあり、区切りとしてふさわしいかもしれません。
武江年表は幾度も訂正や補足が加えられて出版されてきました。
特に21世紀になって、それまでの補足、訂正を踏まえて出された、
今井金吾校訂「定本武江年表」(ちくま学芸文庫)が最たるものです。
一方、注釈は後回しにして、月岑の本文だけ読みたい。
そこで、大正6年に出された「江戸叢書 巻の十二」に収められている、
武江年表12巻を、リフロー型の電子書籍にしました。
国立国会図書館デジタルコレクションで公開されている書籍画像から翻刻したものになります。
電子書籍なので、目次や年表のリンクからワンクリックで飛べますし、全文検索できます。
底本通りの旧字、旧仮名で、誤字脱字もそのままです。
割り注もなるべく再現し、昔のレイアウトの雰囲気を楽しめます。
正確なところを知りたくなったら、是非、補訂本と合わせて参照ください。
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○明治元年 戊辰 四月閏 九月十六日改元
〜中略〜
○七月頃より、湯島天神下自性院に於て 元三大師の畫像を拜せしむ、○八月、今般御一新に付、大赦被行、科人追々に御赦免に成る、○八月、江戶を號して東京と改給ふ、○同東京の內、區別を立て、一區づゝ諸藩に取締方を被命、晝夜巡邏して非常を警らる、○同月上旬、異星巳の方に現す、此月雨天多く、晴天の日稀なり、同五日雨、深夜に至り大雨盆を傾る如し、○同九日、當德川侯駿府へ御發駕あり、同十日より御見付守衛嚴重に成り、新規關門幷に木戶御取建有り、御廓內猥に通行する事を禁ぜらる、
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江戸叢書に収められた武江年表には、この「當德川侯」徳川家達(とくがわ いえさと、幼名、亀之助)の書いた題字が付いており、この電子書籍にも入れています。
*目次*
├武江年表 巻之十二
│├明治元年(1868年)
│├明治2年(1869年)
│├明治3年(1870年)
│├明治4年(1871年)
│├明治5年(1872年)
│├明治6年(1873年)
│└附録
├前書/後書
│├出版関連図
│├江戸叢書 巻の十二 武江年表(解題)
│├江戸叢書 巻の十二 例言
│├武江年表 序
│├武江年表 提要
│├武江年表 巻の八 巻末
│├武江年表 巻の九 附言
│├江戸叢書 巻の十二 武江年表補正略(解題)
│├武江年表補正略 縁起
│├我自刊我書 武江年表 後書き
│├増訂武江年表 齊藤月岑翁略傳
│└増訂武江年表 緒言
├付録
│├江戸時代の時刻
│├方位
│├度量衡の目安
│├六十干支
│├月齢カレンダー
│├年表
│├大小暦
│└新旧カレンダー(明治)
└底本などに関する情報