氷壁 氷壁

氷‪壁‬

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Publisher Description

穂高岳の難所に挑んだ小坂は、ナイロンザイルが切れて墜死する。彼と同行した魚津は、自殺説や醜聞にもめげず、友の死の真相究明に全力を注ぐ。そして小坂の恋人だった美貌の人妻美那子への思慕を胸に、困難な単独行を敢行する……。雄大な自然と都会とを対応させ、完璧な構成のもと、恋愛と男の友情を劇的に描く。NHK土曜ドラマ『氷壁』原案。

GENRE
Fiction & Literature
RELEASED
2005
December 20
LANGUAGE
JA
Japanese
LENGTH
517
Pages
PUBLISHER
新潮社
SELLER
Shinchosha Publishing Co., Ltd.
SIZE
2.7
MB

Customer Reviews

1964生まれのクリス.R ,

どきどきしながら読みました。

井上靖の小説を初めて最後まで読みました。
二十代後半に松本清張の作品を何作か読んだが、途中まではまるで清張の推理小説を読んでるかのような気がした。
後半に入り、魚津恭太とかおるが小坂の遺体捜索のため穂高にむかう部分からのアルプスの厳しい自然描写を読んでみると、これまた二十代後半に読んだ吉村昭の『高熱隧道』を思い出した。
結局、小坂のザイルが切れた真相は完全解明されず、魚津恭太までが事故死してしまい謎解きのないままに小説は終わるが、不思議にも後味の悪さの残らない作品であった。
美那子にしろ、かおるにしろ、それぞれ立場は異なるが、生前の魚津と接した記憶の中で彼を信じることができればそれが読者にとっても救いになるからである。

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