河童
どうか Kappa と発音してください
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4.1 • 414件の評価
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発行者による作品情報
「これは或精神病院の患者、――第23号が誰にでもしゃべる話である」と始まる『河童』は、河童を追いかけてるうちに河童の国に迷い込んだ男の体験記という形式で物語が進んでいく。人間社会とは何もかもが正反対の河童の国では、雌の河童が雄を追いかけ、胎児には出産の際に生まれるべきか否かの選択権があり、さらに悪遺伝を撲滅するために健全な河童と不健全な河童との結婚が奨励される。それは、人間社会への痛烈な風刺であり、批判でもある。初出は、1927(昭和2)年発行の総合雑誌『改造』。この年、芥川は「ぼんやりとした不安」という言葉を残して自殺する。『河童』は芥川晩年の代表作で、彼の命日(7月24日)が「河童忌」と呼ばれる由縁となっている。
APPLE BOOKSのレビュー
芥川龍之介による最晩年の代表作。一見するとユーモラスな異世界ファンタジーの体裁を取りながら、深い哲学的問題を問いかける作品だ。本作は、精神障害患者の奇妙な体験談を、病院を訪れた「僕」が筆記するという形式で展開される。「患者」は登山中に河童と出会い、そのまま河童の国に連れて行かれるが、そこは人間社会とはまるで価値観の異なる世界。戸惑いながらも河童たちと生活を送ることになるが…。河童の国での暮らしを通じて、人間社会の欺瞞(ぎまん)や非合理性を皮肉る視点が芥川ならでは。河童の世界で描かれる人間関係の不条理さは戯画的であるが、実はそれこそが現実の日本社会の映し鏡であることに、読者は気付かされることだろう。真実とは何か、人間とは何か、そうした根源的な問いが、ユーモラスな語りの背後にひそやかに立ち現れる。精神障害者の「妄想」として語られるために現実との境界が意図的に曖昧にされており、読者は幻想と現実が入れ子状に重なり合う構造の中に、いや応なしにも引き込まれていく。これは本当に異界なのか、それとも異常なのはむしろ現実なのか。語り手の不確かさが生む「二重世界」は、まさしく幻想文学の醍醐味(だいごみ)でもある。
カスタマーレビュー
楽しく読ませていただきました
河童に会いたいような会いたくないような気分です。河童が少し好きになりました。
龍之介の作品
にこういうのがあるとは知らなかった。
うーん。
カッパの世界観で当時を皮肉ってたり、考えたりしてる。結局何が1番伝えたいかが私にはわからなかった。