海帝(1)
-
- ¥700
-
- ¥700
発行者による作品情報
誰より早く世界を見た男・鄭和の海洋冒険記
コロンブスで知られる“大航海時代”よりも遠い時代に――――
7度の大航海を達成させた男がいる。その名は、鄭和。
中国・明の時代に実在したその男は、王朝で高い立場を持つものの、隠し持った、ある「野望」を追い、南方諸国へ航海に出ることに。
生死が紙一重の海洋冒険で、鄭和が追うのは、地球上まだ誰も見ぬ「世界」か、それとも「夢」か――――
APPLE BOOKSのレビュー
「宗像教授シリーズ」などで知られる星野之宣が、大航海時代より少し先に世界の海を何度となく渡った男、鄭和(ていわ)を主人公に描く海洋冒険漫画「海帝」。15世紀初頭、中国「明」の宦官であった鄭和は、時の第3代皇帝・永楽帝の側近を務めていた。残忍な永楽帝は、行方知れずの先代皇帝・建文帝に関わる者を殺し尽くしていたが、鄭和はこの行いが国を乱すとし、民のために南海諸国への貿易を進言。永楽帝はこれを承諾し、大艦隊を鄭和に託すが、なんと鄭和は永楽帝が探し続けている建文帝を長年匿(かくま)っており、大艦隊に同乗させて逃がそうと計画していたのだった。宦官という立場でありながら皇帝を欺き、命を救おうとする勇敢な鄭和の存在が緊迫に満ちた物語へと読者を引きずり込んでいく。また、鄭和が行ったという海洋遠征については有力な史実が残っておらず、その謎の部分を描くという想像的試みも、本作の魅力となっている。