



源氏物語 1
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3.5 • 10件の評価
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- ¥880
発行者による作品情報
日本文学最大の傑作を、小説としての魅力を余すことなく現代に甦えらせた角田源氏。輝く皇子として誕生した光源氏が、数多くの恋と波瀾に満ちた運命に動かされてゆく。「桐壺」から「末摘花」までを収録。
<疾走感ある自然な訳文で、なにより物語の醍醐味が味わえる、現代語訳の決定版!>
恋に生き、切なさに、嫉妬に、美しさに涙する――
日本文学最大の傑作が、明瞭な完全新訳で甦る、全8巻!
【読売文学賞(研究・翻訳賞)受賞作】
とりかかる前は、この壮大な物語に、私ごときが触れてもいいのだろうかと思っていた。
実際にとりくみはじめて、私ごときが何をしてもまるで動じない強靭な物語だと知った。
――角田光代
<出版社から>
「最後まで初めて読めました!」「角田さんの訳で物語の全体が分かりました」等、小説としての面白さが分かる現代語訳として大好評の角田源氏。
【読みやすさの工夫を凝らした角田訳の特徴】
●原文に忠実に沿いながらも、読みやすく、感情に引きつけて読める自然な訳文
●主語を補い、地の文の敬語をほぼ廃したことで、細部までわかりやすい
●現代的で歯切れがよく、生き生きとした会話文
●作者や第三者の声(草子地)を魅力的に訳して挿入
●和歌や漢詩などの引用はほぼ全文を補って紹介
平安時代中期の11世紀初めに紫式部によって書かれた『源氏物語』は、54帖から成る世界最古の長篇小説。輝く皇子として生まれた光源氏が、女たちとさまざまな恋愛を繰り広げる物語であると同時に、生と死、無常観など、人生や社会の深淵が描かれている。400人以上の登場人物が織りなす物語の面白さ、卓越した構成力、細やかな心情を豊かに綴った筆致と、1000年読み継がれる傑作。
『源氏物語 1』は、若き光源氏の姫君たちとの恋と許されぬ藤壺への思慕を描く。
APPLE BOOKSのレビュー
平安時代に生まれ、1,000年を経てもなお人々を魅了する、恋愛小説の令和版現代語訳。大河ドラマの主人公にも選ばれた紫式部の記した『源氏物語』は、海外でも翻訳出版される日本を代表する古典文学の一つだ。国内では、与謝野晶子をはじめ、瀬戸内寂聴、谷崎潤一郎など、数々の著名作家たちが時代ごとの現代語訳を手掛けてきた。学校の授業でも学び、マンガ、映画、ドラマ、舞台とアレンジされ、知らない人はいない傑作だが、全54帖という大長編を原文で読破するのはやはりハードルが高い。そこで、『紙の月』『八日目の蝉』などの著者として知られる角田光代が、新たな現代語訳に挑む。数々の文学賞を受賞する恋愛小説の名手でありながら、児童文学作家としても活躍し、『曾根崎心中』で時代小説を手掛けた著者の完全新訳は、原文のテイストに忠実でありながら、読みやすくも登場人物たちの心情を豊かに伝える。主人公、光源氏の誕生から若き日の恋を描いた第1巻から始まり、全8巻にわたる壮大な物語は、恋愛小説としてだけでなく、人生観や社会、環境について考えさせられる普遍性がある。